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2005年07月17日

小児移植外科実習報告

小児移植外科実習報告

5月16日~28日までの2週間、小児移植外科にて学生実習をする機会を持ちましたので、報告します。
今回の実習の目的は、もちろん移植手術やアメリカの移植医療システムを学ぶというということもあったのですが、一番の目的は移植後の患者さんの経過とフォローを見学するということでした。
初日に担当の患者さんが決まり、そしてその日の深夜に移植手術が行われました。

まずはこちらの病院での実習内容(学生の支店から)を紹介したいと思います。
0600  病院到着。自分の担当になった患者さんのバイタル、検査結果や身体所見をとります。
0700  インターンが全体の回診の前に病棟の患者さん(5~8人)を診ていくのでそれについていきます。
0830  朝のカンファレンス。アテンディングの前で自分の患者さんのプレゼンをします。自分の見落としたところはインターンやフェローが補ってくれます。インターンやフェローはポイントを押さえてプレゼンしているのに対し、学生(僕)は一人の患者さんのプレゼンに時間がかかります。
0930  回診。病棟に入院している患者さん(ほとんどが移植後)やPICUの患者さんをアテンディングやフェローと診ていきます。
1030  朝食。やっと一息つける瞬間です。ここはマイアミなのですが、小児移植外科にはアメリカ人のドクターはいません。話題も多岐にわたります。
1100  朝のカンファで話し合った患者さんのプランを実行していきます。超音波、内視鏡、CTなどの検査や免疫抑制剤の血中レベル、他の検査結果(肝臓だったら肝逸脱酵素やPT、PTTなど)、病理の結果、細菌学での培養結果の評価をしていきます。きりのいいところで昼御飯。
1600  午後の回診。午前中の検査結果、免疫抑制剤のレベルや患者の状態をフェローやインターンと診ていきます。
1700  自分の患者さんをもう一度診て帰宅。

これが学生の一日です。これに週一回の病理カンファや肝臓移植カンファが加わります。もちろんオペが入れば見学しに行ったりします。僕は朝食の後はフェローの日本人の先生やインターンにくっついて検査結果の評価やフォローのしかたを教わっていました。これだけでも盛りだくさんです。
この2週間で学んだことをまとめると、手術では自分の担当患者さんの手術、多臓器移植の患者さんの手術、そして、ドナーの手術を見学しました。移植後のフォローでは、X線、超音波といった術後の検査、免疫抑制剤の血中レベルと培養検査、他に術中とICUでおきた不整脈の治療と評価、痛みや精神症状に対するケアを学びました。
また、ここで働いている日本人の先生からは、朝食中も質問攻めにあい、患者さんのそれぞれの症状や検査結果、所見を論理的に考えることを教わりました。2週間という短い期間でいろいろと経験させていただき本当にありがとうございました。

投稿者 管理人 : 2005年07月17日 22:26

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