« 2006年01月 | メイン | 2006年08月 »

2006年02月27日

1%の可能性があれば、それにかける

 医師としてつらいことの一つには「適応外ですので手術できません。」つげなければならないことです。特にEBMが流行、訴訟を避けられない現在の医療状況では”適応条件を厳格に運用する”ということは避けて通ることはできません。しかし、小児医療の現場や、移植医療では目の前の患者さんを助けることができないというジレンマに直面することになります。

 そんなときにNHKのプロジェクトXの後継番組である”プロフェッショナル”を見ました。とある、心臓外科医の話が出ていたのですが、かっこいいですね。控えめでいながらその中の熱意が伝わってくるようです。「1%の可能性があれば、それにかける。」やっぱり外科医だったら適応云々をいうよりも、こういえるぐらいの手術の腕をつけたいものですね。

番組でまとめられている彼の言葉は

プロフェッショナルとは

誇りと責任です。誇りを持たないといけない。
誇りだけで責任のとれない人はだめです。それをしようと思えば、
やっぱり努力しないといけない。

 とりあえず、はじめはカッコからということで聴診器にアライグマのぬいぐるみをつけてみました。(そのうち再放送をするので、是非見てみてください。)

投稿者 管理人 : 09:02 | コメント (0) | トラックバック

バレンタインデーおめでとう

最近は、下火になったとはいえバレンタインデー。今日は、病棟の担当医に看護婦さんからチョコレートをもらいます。「バレンタインデーおめでとう」と書いてありますが、バレンタインデーというのはそんな日だったかな?患者さんの子どもも手作りチョコで、それぞれ配っていたようです。(写真を撮る前に食べてしまった。)

投稿者 管理人 : 09:01 | コメント (0) | トラックバック

ホテルはもういっぱい

今晩は管理人です。今年の世界移植学会はまたまたボストンになります。ボスからはいってもいいというお墨付きをもらったので、すでに抄録にかける意気込みは半減(10分に1くらいか)です。今までは、発表がなければ行きにくかったのですが、今年は「世の流れに遅れないように」という名目で行かせてもらいたいですね。今までは多くの症例と、いつでも聞くことができる人々がいた環境から、今の環境に移ると、取り残されるような焦りがあることは否めません。

投稿者 管理人 : 08:56 | コメント (93) | トラックバック

こども病院密着24時

 しばらく書き直しをほおっておいていた論文が、締め切りが2週間以内だということでダラスのボスからおしかりの連絡が来てしまいました。あわてて電話をして、今週末中に仕上げることを約束します。最近は、生体肝移植と、小腸移植のマニュアル作りにいそしんでいたのでなかなか論文までは手が回らないのですが、そろそろやらないと怒られてしまいますね。でも相変わらず統計には苦労しています。統計の専門家が身近にいてくれるといいのですが。大学には誰もがアクセスできる、英語論文の添削と、統計解析のアシスタンスをしてくれる部門があってもよいものなのですが。国際的に競争力を持たせたいのならば、こういうところにお金をかけるようにならないですかね。そんなわけで、今晩はテレビなどをつけてみます。

 テレビ朝日で「こども病院密着24時」という番組をやっていたのですが、マスコミ取材の取材に対して病院側が無知であるかというかモラルまたは、正義のなさに、同じ小児医療に携わる身としては憤りを感じざるには終えません。しかも、病院のホームページに「密着取材が放送されます。」と誇らしげに宣伝されているのにあきれてしまいます。

 肝芽腫とおぼしき患者さんのCPRの場面を流したり(そのまま亡くなってしまいました。)、短腸症候群と思われる患者さんの救いようのない最後を流したりして、テレビ局側の意図と、それを許した病院の不見識さに何か言わずにはおれません。こういうのはドラマのような作り物だから許されるのであって、テレビで現場を写していればこれは現実からやらせとなってしまいます。もっとも現実的な蘇生などの場で、カメラを入れて亡くなっている子供と、親を撮影するなんて、現場の人間としては全く許せないことです。

 医療活動に関するマスコミへの取材は、啓蒙活動、もしくは利益になる場合にのみ許されると思います。砕いていえば、「こんなに苦しい思いをしたけれど、治ってよかったね。」という場合に許されるものでしょう。

 テレビの取材などは、基本的に視聴率がとれればいいもので、取材側は取られる側(患者さんや家族)のことのなどほとんど考えていないことが多いです。モラルやジャーナリストの意識を持った人も非常に少ないです。このあたりは、取材関係の人たちとつきあってみればすぐにわかることです。

 それに対して医療人側が、「テレビに映るから」とばかりに、マスコミや取材側のモラルに反した行為を許しているというのは、誠に恥ずべきことではないでしょうか。病院や患者の啓蒙活動や宣伝のためにマスコミを利用するのはかまいませんが、常に、危険なものとして、十分に危機意識を持って対応する必要があるのではないでしょうか。

 ちなみに100万ヒットを迎えまして、愛読していただいてる方には誠に感謝しております。このような駄文につきあっていただいて、誠に感謝の言葉もありません。

投稿者 管理人 : 08:53 | コメント (2077) | トラックバック

納豆禁がない

今日は節分です。管理人が、関西に来た頃は太巻きの丸かじりというと関西ローカルの風習でしたが、最近は東京でも行われているらしいですね。どうなんでしょうか。
 さて、ワーファリンを内服している患者さん用に、「納豆禁止」というオーダーを出そうとしたのですが、項目がありません。東京の病院で勤めていたとき、または、静岡で働いていたときには「納豆禁止」という、オーダーがあったような気がします。関西では元々納豆が出ないからかオーダーがないようです。
 移植の患者さんからは、「納豆を食べていいでしょうか?」と聞かれるわけで、術後管理プロトコールを作る上で頭を悩ますところになります。これも、刺身と同じように研究課題としなければなりませんね。

投稿者 管理人 : 08:52 | コメント (299) | トラックバック

ノスタルジックな一日

今日は管理人は英語の試験などを受けなければいけません。英語の試験といっても辞書が持ち込みなので、あわてて、生協に辞書を買いに行きます。電子辞書が禁じられているので、懐かしい紙の辞書を購入します。管理人が学生の頃にはすでに電子辞書の時代だったので、紙の辞書を使うのも本当に久しぶりです。
 シャープペンと消しゴムも手に入れます。こんな筆記具も最近はワープロばかりなので使うことがないですね。試験場もかつての講義棟なのでノスタルジックな一日でした。もっとも実際は肝生検の結果が出るまでの間に受験してきたので、そんなに浸ってる時間はありませんでしたが、学生の時は試験にだけ費やすことができたので、うらやましい限りです。

投稿者 管理人 : 08:49 | コメント (0) | トラックバック

2006年02月24日

世の中狭いもので

やっと管理人のところにも外科学会の認定証が届きました。外科学会の認定医というと、外科研修を受けているものにとっては、誰でもとれる取ったからといってどうということでもない認定ですが、海外から申請するにはかなり苦労しました。日本での研修期間が少ない上に、書類を作るのにもさんざん苦労したので、とりあえずよかったです。一年遅れたせいで、最初の研修を受けた某教授の名前で認定証が来たので、それも何かの巡り合わせでしょうか。
 その先生も、管理人が麻酔科を回っているときも、すれ違うたびに「ちゃんと勉強しているか、教科書を隅から隅まで読まなきゃだめだぞ、紙書いているか、紙書いてるか。」たさんざん言われたものですが、なかなか道のりは険しいものです。

 さて、そんなさなか、先日の移植の手術の時に手術室で、その某病院での研修時代の話をしていたら、たまたま、その当時の手術室で一緒に働いていた看護婦さんが、同じ手術にはいることになりました。世の中狭いもので、管理人の研修医の時代を知っているのです。悪さをして逃げてきたわけではないのでいいですが、日頃の素行には気をつけないといけないですね。

投稿者 管理人 : 08:14 | コメント (0) | トラックバック

2006年02月04日

電話してもいいかな

ICUに移植患者さんがいるときになるもので(移植じゃない患者さんでもですが)前の病院では、電話をかけて状態を聞くのはよくあることなので、よく電話で聞いていたのですが、ここで、電話をするとちょっと怪訝な声をされてしまうというか、「忙しいのに電話をかけてすいません。」というような気分になってしまいます。
 指示も電話で出していたのが、医学的な仕事以外たとえば、指示をコンピューターに入れる(秘書さんがやっていた)、検体を運ぶ(メッセンジャーの仕事)、薬や点滴を取ってくる(同じくメッセンジャー)、患者さんを検査に連れて行く(トランスポーターの仕事)などの雑用が多い上、薬剤師、栄養士、理学療法士、呼吸療法士、作業療法士もいないという状況で働かなければいけません。しかも給料が安いと来ているので、...
 同じく移植をするにしても、手術以外の点はアメリカでのやり方は全く通用しないですね。アメリカでも、日本でも生存していくのはなかなか大変です。

投稿者 管理人 : 11:44 | コメント (101) | トラックバック

Spiritsと合理主義

先日大学の後輩と話をしていたら、「トイレは座ってしている。」との発言。管理人はずいぶん驚きました。だってかつては一緒に山に行ったこともある後輩が座ってしているんです。理由を聞いたら、「汚すと怒られるから。」とのこと。立ってするのは男性の特権で、座ってなんて女々しいことと思っていたら、15%もの男性が最近は座ってしているらしいですね。(2001年TOTOの調べ。)これを聞いてまたまた驚きました。
 トイレを立ってするというのは男性のSpiritsのような気もするのですがね。合理主義がまかり通る昨今ですが、寂しいことです。今度彼の家にみんなで立ち○○○をしに行こうと誓いましたが、奥さんに怒られてしまうかな。

投稿者 管理人 : 11:43 | コメント (246) | トラックバック

生体肝移植とヘルニア

医局でふと目にすると、今月号のDoctor's Magazineの表紙を田中紘一先生が飾っていました。いうまでもなく日本のみならず世界的な生体肝移植の権威で、それまで、莫大な費用を工面して海外で移植を受けるか、ただ死ぬのを待つしかなかった肝臓移植を、今やほとんどが保険医療で行えるようになるまでにした、先天性胆道閉鎖症の治療法を葛西先生と並んで、おそらく日本が世界に誇る小児外科医(移植医?)でしょう。
 さて、この記事によると、そんな田中先生でも、国立小児医療センターから島根の病院に戻ったときは「”脱腸の先生”になろう。」として、地道に努力をしていたころもあったそうです。このような中で地道に努力ができるところが、大きな仕事をする先生の違うところですね。記事はその後も、いかにして生体肝移植を積み上げていったかのインタビューが続いていて、その喜びと、責任の大きさについてコメントされています。(あんまり引用すると著作権にふれてしまうので)

投稿者 管理人 : 11:40 | コメント (187) | トラックバック