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2006年09月14日
その勇気に
今晩は管理人です。先日、マイアミで多内臓移植を受けられたあやかちゃんのご両親にお会いしました。実はご両親とお会いするのはこれが初めてです。お嬢さんの関わった、移植医療というものを少しでも知りたいと言うことと、少しでも手助けになればと言うことで、移植学会を訪れてくださったそうです。移植の手術を受けられた後に、また残念な結果に終わったのにもかかわらず、このように多くに人前に出てくださるというのはなかなか出来ることではありません。
もちろん、管理人は先進国でありながら移植医療に関してはお金を使って海外で治療を受けなければいけないという現状に歯がゆさを覚えている一人なので、必ずしも募金で海外で移植をしたり、ましてやグレーな部分の多い中国で移植を受けたりすることに賛成なわけではありません。
往々にしてマスコミでは移植への募金活動をただ単に好意的にとらえたり、また、中国などでの移植を単に批判的に報道したりするにすぎません。しかし、つねにどうしてそうせざるおえないのかを考えてもらいたいのです。
管理人は今は小児外科で働いていますので、移植に至までの患者さんを多く見ています。どんな親御さんもただ、「子どもを助けたい。」という気持ちで一心です。その中では移植の適応になりながら国内での移植が出来ないためにもどかしい思いをしている方もたくさんいます。自分の子どもの命が助からない、学校にも行けずにずっと病院で点滴を受けている子ども達の気持ちを考えたことがありますか。そんな中で、子どもを救うために戦ったご両親のことを誰が責めることが出来るでしょうか。
現在での移植医療や、脳死について様々な意見が交わされています。しかし、多くの議論が、患者さんや現場とは遠いところで方法論で交わされがちなことが残念です。移植医療は善意と善意をつなぐのが仕事です。つねに消えそうな命を助けたい、そんなシンプルなことを難しくしたがるのはいかがなものでしょうか。
管理人も国内での移植を行うことがどれだけ大変かを身にしみていますし、その中でここまで築き上げてきた患者さんや医療スタッフの努力に敬服しています。あやかちゃんと、ご両親の悲しみと勇気が今後の日本の移植医療の発達に寄与して、少しでもご両親の悲しみが和らぐのを願うばかりです
投稿者 管理人 : 05:29 | コメント (114) | トラックバック