Fellowの生活

　手術のない日は（週2日くらい）朝6時に病院に行ってICUの患者と病棟の患者20人くらいを同僚のFellow2人と診察をしてカルテを書いて処置や肝生検を行います。10時になるとAttendingの回診があります。それまでに入院患者と外来患者の処置をすべてしないといけないので、ちょっとでもばたばたすると大変です。昼過ぎに回診の後は画像などの確認を行って3時に肝生検の結果と血中濃度の結果が返ってくるのを見て4時から午後の回診をして翌日のオーダーを出します。当直はfellow3人でまわしているので3日に一回は当直となります。（今のところ私は電話での指示がうまくできないので免除されています。）
　ドナーが出ると私はドナーの手術に入って肝臓をとりに行きます。この病院はテキサス州の半分をカバーしているので、1時間くらいのところなら自家用車で、それ以上遠いところなら空港で待ち合わせをしてチャーター機で取りにいきます。たいてい夜か早朝にあります。ドナーの手術は2人で行うので、必ず助手をしなければなりません。
　朝、肝臓と腎臓を持って帰ってくると、そこから肝移植を行います。肝移植の手術は3人で行い他の2人のfellowは術者をさせてもらっています。肝移植が終わると、腎移植が行われます。今のところ私は腎移植で血管縫合の練習をさせてもらっているという形になっています。
　ドナー手術から腎移植が終わると丸1日たってしまいます。その間に病棟も見なければならないのでさすがにかなりつらいです。まだ、英語もよくわからないので他の先生に怒られて、看護婦さんからあきれられながら泣く泣く行っているというような状態です。
fellowの身分で来たということは卒後6年目のある程度一人前の医師としてきていることになっているのが、薬の名前もろくにわからないということでインターン以下にきっと看護婦さんたちは思っていると思います。そのあたりの居心地の悪さがつらいところです。

　Fellowの仕事として、カルテにサインをするという仕事があります。さもないと保険会社が支払ってくれませんから。事実上１００%のカルテは差し戻されます。なぜならば、ここの病院では指示はみんな手書きで、Voice Order(電話指示や口頭指示）にはCo signをしなければならないからです。週に１度はMedical Recordにいって、サインの漏れやH&Pの記載ミス、D/CsummaryやOp recordのDictationが出来ていないなどのこまごまとした修正をしなければなりません。サインしていない場所には全部ポストイットが張ってあって、サインを求められます。
　手術に行く別の病院では一ヶ月間訂正がされていないと、その医師は出入り禁止になると警告されています。

　私の場合は免許が無いのと、J-1 VISAのためバイトができないのですが。こちらでも日本と同じようにバイトというものがあるようです。そんな広告を紹介します。

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更新記録
●2002年5月1日：新規掲載
●2002年7月7日：バイトを追加しました