残念ながら日本では脳死移植が始まったばっかりで、まだ十分に移植を受ける機会を得られるとはいえません。日本の移植が普及するのが一番望ましいのですがそれを待つことが出来たい方がいらっしゃるのも確かです。そのため、このページでは当院での海外からの移植について説明します。
Baylor University Medical Center, Dallas, Texasでは海外の患者さんも移植のレシピエントとして受け入れています。日本からも過去に2名の肝移植の患者さんを受け入れ、その方たちは手術が成功してに成功して日本で暮らされています。日本から当院で移植を受けられたい場合について説明いたします。
海外からの移植はすべてInternational Serviceを通して行います。当院での移植を希望される患者さんは最初International Serviceに連絡を取ることになります。
最初は、日本での医療記録を取り寄せて、それから預託金を送ってもらった段階で移植への準備を始めます。
預託金は大体以下のとおりです。これには基本的な移植前の評価、移植手術と周術期の管理の費用から見積もられたものです。
1.肝臓移植 $400,000(\50,000,000)
2.腎臓移植 $110,000(\15,000,000)
3.心臓移植 $430,000(\55,000,000)
4.肺臓移植 $400,000(\50,000,000)
肝移植の例を取ると、預託金が振り込まれた段階でInternational Serviceが移植前のコーディネーターに手配をして、移植前検査の準備を始めます。 移植前検査には直接当院まで来ていただく必要があります。大体1-2週間程度移植前の評価のための全身の検査を行います。
移植前検査が終わると、移植委員会で移植の待機リストに載せるかどうかの判断を行います。いったん移植の待機リストに載るとあとはドナーが出るのを待つということになります。
ドナーが出るのを待つ間は、Twice Blessed Placeという病院の前にあるアパートを、International Serviceで手配してくれます。ただこれが数ヶ月で済むのか1年以上かかるかは患者さんの重症度によるのでなんともいえません。肝移植の場合はメルドスコアーというもので一元的に順位が決まっているのである程度予測がつくのですが、腎移植の場合はHLAのマッチングとドナーとの距離によるので、どの程度時間がかかるかは予測がつきません。その間、人工透析も必要になるので、移植そのものの費用は他の移植より安くても総額の費用は膨大になります。
ドナーが出ると肝移植が行われます。通常1週間程度の入院ですが合併症が起これば当然長くなります。手術後3ヶ月間は病院のの外来が週に2-1回あるのでその間はTwice Blessed Placeに滞在することになります。
3ヶ月たったら外来も終了ということになって、日本に帰るということになります。その後は日本の病院がかかりつけ医ということになって以降経過観察をするということになります。本来は1,2,5,10年後に当院で経過観察のため日帰り入院をしてもらうことになっているのですが、日本の患者さんの場合は日本の病院でも行えると思います。
不本意な帰国について
アメリカにおける葬儀
死亡診断書と火葬証明書
大使館・領事館への連絡
日本への帰還
更新記録
●2002年8月6日:新規公開