移植外科は基本的には一般外科の手術の延長なのですが、少しずつ細かいところが違っています。ドナーの手術にいろいろな病院に行くのですが基本的な器械や手技はほとんど同じようです。このページでは一般外科の手術において日本と違う点について紹介したいと思います。
手洗い(Scrub)
日本でもアメリカでも手術に入ることを「手洗いをする」「I'm going to scrub.」といいます。この点は同じなのですが、概してアメリカの医師はあんまり手を洗わないようです。ブラシはセッケン付のブラシをおいているところがほとんどで洗うのは一回だけです。ちなみに洗ったあとに手を拭くのも一枚のタオルだけなので、最初のうちはどうやって手を拭くのかわかりませんでした。(片側づつうまく拭きます。) ガウン、手袋は基本的に同じですが手袋はほとんど看護婦さんがつけてくれます。このとき左手の手袋を自分の右手で引っ掛けるのがコツです。
靴は下履きに履き替えないでそのままの靴です。一応靴袋というものがあるのですが、これは手術室を汚さないためというよりは、自分の靴を血で汚さないために履くようなもののようです。
患者が肝炎が原因であることが多いためか、必ずマスクにシールドをつけるかゴーグルをしています。あるAttendingは一時間おきに手袋を取り替えて中をイソジン(Bethadine)で消毒しています。
糸結び(Tie)
こちらに来て深く反省しているのは、日本であまり糸結びの練習をしてこなかったことです。普通の絹糸も縛れないので血管縫合用のプロリンの糸がうまく縛れるわけはありませんね。さて、こちらでも犬歯を使うことが多いのですが、日本のように術野の深さで糸の長さを分けるというような芸の細かいことをあんまりしてくれません。体表でも長い絹糸が来るので長い糸を上手に縛れないといけません。また、看護婦さんが器械、モスキートケリー(マニヨン、またはトンシルという。まだ綴りはわかりません。)に糸をつけてくれるのですが、先端につけてくれません。日本では先端につけるようにうるさく言われていたのですがこのあたりではそういう作法は無いようです。
器械カウント(Instrument Count)
日本でもそうなのですが、この病院では日本以上に手術が終わりに近づくと直接介助の看護婦さんは器械カウントとスポンジカウントでそっちのけになってしまいます。必要な器械もみんな片付けられてしまうので結構困りものです
外科器械
ここで手術に使う器械について並べてみたいと思います。
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2003年12月20日(土曜日) 手術室クリスマスパーティー Christmas Party
更新記録
●2002年5月3日:新規掲載
●2003年12月22日:更新しました