このホームページを見る方は、臨床留学ってなに?とか研究とはどう違うの?という疑問がある方が多い以下と思いますのでこのページでは臨床留学というものについて説明をします。
臨床留学
日本の医療というものは世界に誇れるべきものですが、やはり、他の国で働いてみたいとか、また、移植や、家庭医学のように日本であまり行われていない分野は、海外で勉強したいという気持ちが出てきます。そのためには、海外で医師をする必要がでてきます。現実的にはアメリカが外国人の医師を一番受け入れているということもあって、臨床留学の大半はアメリカへの留学を意味するようになっています。
さて、臨床留学には文字通り、アメリカで医師として患者を診るということになります。下のように、アメリカに医師として留学するにはレジデントやフェローというような形でトレーニングを受けるということになります。これは、日本で言ったら研修医や、それよりちょっと上というような形になります。給料は、相手の病院からもらわなければなりません。昔はアメリカも医師が足りなくて、外国人医師をたくさん受け入れていたのですが、最近は医師が余っていることもあり、残念ながら近年アメリカで外国人の医師の受け入れが厳しいこともあって、日本人でアメリカの病院に臨床留学をする人は年間10−20人程度ではないかと思われます。
レジデントとフェロー
レジデントは日本で言ったらぺーぺーの研修医に当たるものです。科によって違いますが卒業後2-5年間かかります。これは日本の研修医と同じように外科レジデントだったら、一般外科のトレーニングを受けます。アメリカで、正式な医師免許をとるにはこの過程を終了する必要があります。(州によって違いますが)
フェローはレジデントを修了した課程で、それぞれの専門化たとえば外科の中でも移植外科とか、心臓外科などについてトレーニングを受ける過程です。一応レジデントより上ということでレジデントの指導もする必要があります。論文を書いたり、学会発表もしなければ成らないことになっています。フェローを終えたら一応専門医ということになります。
臨床留学に必要なもの
臨床留学は研究留学と違って、アメリカの医師国家試験をとって、臨床をするための許可書を得なければなりません。この段階では医師の開業免許はくれませんが、開業免許無しでも試験に通れば臨床をすることが出来ます。外国人が医師の臨床の資格を得るには次の4つの試験があります。
1.USMLE Step1 (医師免許試験 基礎編)
2.USMLE Step2 (医師免許試験 臨床編)
3.TOEFL (よく知られた英語の試験)
4.CSA (臨床技術評価試験,いわゆる模擬患者試験)
これに通るとECFMG Certification という、臨床をする許可証がもらえます。それをもって州の許可書をもらうと晴れて医師として活動が出来ます。おっと、忘れてはいけませんが有効の労働ビザ 通常はJ-1場合によってはH-1ビザがもちろん必要になります。
留学のそのあとには
留学したあとどうなるのかは、もちろん管理人はわかりません、医局の枠内で留学している人は医局に戻るのでしょうし、管理人のように離れている人は就職先を探す必要があります。また、本当に優秀な人はアメリカに残って活動する人もいます。 続く...
更新記録
●2003年6月2日:新規掲載