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What's Newー今日の呟きー
(2002年10月ー2002年12月)

現在の−今日の呟き−

 加藤望氏の報告に関しては御本人の希望により、日本の皆様にお知らせするために掲載しています。写真はクリックすると拡大できます。内容は加藤望氏のHP http://www9.ocn.ne.jp/~nkisyoku/ とリンクしています。許可なく転載は行わないようにお願いします。



1月4日 正月は日本にかぎる
   まだまだ、ICUにどんどん患者さんが来ます。呼吸器と、スワンガンツの患者さんだけで、4人もいます。伴君も連日24時間営業なので、「今日もハンバーガーが夕食だ」と嘆いています。
 最近はまったく、HPをアップデートする時間がないのですいません。2人のfellowでサービスを見なければいけないので、まったく寝る時間もありません。
 年末年始、日本にいるときも病院でしたが、なんとなく病棟が閑散としてそれとなく雰囲気があったものです。やっぱり正月は日本に限りますね。

 そんなわけで、今日やっと更新しましたが、メールなどのお返事は31日以降まったく出来ていません。近日中にお返事しますので今しばらくお待ちください。

1月3日 40時間働きずくめ
   昨日から40時間働きずくめです。休息もなく12時間の手術付だとさすがにヘロヘロです。というかベースラインからヘロヘロですから。
 手術の予定は夜9時からだったので、8時に患者さんが来ました。問題なのは1人目の移植の予定患者さんは、病棟に来たときから看護婦さんが「アルコールくさい」と騒いでいます。血液検査をすれば268mg/dl。この患者さんは移植リストからはずされてしまいます。急いで、予備の患者さんを探し2時から手術、手術室でSGカテを入れたところ肺高血圧症、この患者さんも中止です。3人目は、バックアップの患者さんで、この患者さんはバックアップで4回入院しています。最初入院を取ったときは、「またバックアップですいませんね。」といういつものせりふでしたが、今度はほんとに移植を受けることが出来ました。しかしおかげで手術が始まったのは午前4時です。手術が終わればそのまま病棟業務ですから。まったく寝る暇もありません。
 本日、整形外科に入院していた日本人の方は無事退院されました。わざわざ退院を退院を知らせていただいてありがとうございます。

1月2日 忍耐力
   昨日の患者さんの三日間連続の再手術です。患者さんも大変ですが、こちらも、あきらめてしまえば患者さんは肝臓を失い、最悪の場合は命を失います。最近は重症患者をICUに沢山抱え、伴君と2人で見ないといけないので、かなり苦しいですが...
 新しくレジデントが来たので、彼に期待をしましょう。

1月1日 明けましておめでとうございます
   今日は日本はお正月ですね。今日から、尾中先生はいなくなってしまってので、伴君と2人で患者さんを見ていかなければなりません。尾中先生もあれだけみんなから愛されていたのに、送別会もなくあっさりいなくなってしまいます。なんだか寂しいものです。
 みなさんから、お手紙やメールありがとうございます。最近お返事を書くことが出来ませんが、大変感謝しています。
 今日も手術です。

12月31日 大晦日
   今日は大晦日ですが、こちらでは、通常どうりに勤務です。今日は日本人の方のお宅に紅白歌合戦の年越しパーティーに誘われています。何とか2時間ぐらい時間が取れましたので、病院を抜けて、伺いました。
 そのときの写真は近日中にアップする予定ですので、少々お待ちください。

12月30日 だいたいコンピューターというものは
   リサーチをするためには、委員会の承認を受けなければならないのですが、今度は、オンラインでいくつかのテストを受けなければなりません。一件、便利なように見えるのですが、ログインできません。カスタマーサービスと電話をしながらやっても、まったく埒が明きません。結局、1時間以上も時間を費やした挙句、結局ログインできないので明日の仕事です。まったく時間の無駄です。

12月29日 今日で一年
   今日で、ダラスに来てから一年がたちます。まだまだ勉強は足りませんが、何とか一年生き延びたという感じです。今日も、ドナーの手術が2件予定されていたのですが、結局2件ともキャンセルになってしまいました。体調が優れないので、こういうときはありがたいのですが。2件目は首里先生と一緒に出かけたのですが、途中でキャンセルになって(というかその連絡がなかった。)彼にカムリの魅力を語られながらの夜のドライブということで終わりました。
 日本は年の瀬ですが、こちらは、クリスマスが明けて、もう新しい年という感じです。お正月はやっぱり日本が恋しいですね。大晦日は、日本人の方から紅白を見るお誘いを受けているのですが行かれるでしょうか。

12月28日 かぜかな?
   休暇から帰ってきて寒い中不規則な生活だからか、すっかり風邪を引いてしまったようです。昨日も、On callで一晩中ICUに呼ばれたので、ぜんぜん寝る暇がありません。まあ、風邪を引いたときは葛根湯のお世話になるのですが、
 アメリカでは、処方箋無しでもかなりの薬が薬局で手に入るので、ほとんど病院に行かなくてもいいのですが、こればかりはアメリカに売っていないので、日本から持ってきた薬のお世話になります。

加藤望氏報告(術後3ヶ月目) 
 今日は、かねてから加藤氏と約束していた、お寿司を食べに行くことにななりました。場所は寿司シャトルで、加藤氏御夫妻と河野氏ご夫妻と退院のお祝いをすることが出来ました。
 栄養士から生ものは硬く禁じられているので、加藤氏は生のお寿司を食べることは出来ませんでしたが、ほぼ順調にここまでこられて何よりです。
 移植の場合は、まだまだこれからも治療は続きますが、頑張ってもらいたいものです。

12月27日 暖炉
   ダラスというのは、冬はかなり寒いところで、最近は連日氷点下の日々が続いています。夜でも、暖房がないとかなり冷え込むので、最近は暖炉(ガス式)を一晩中入れっぱなしにしています。テキサスは、ガス代が安いからか、うちのアパートではガス代はかからないことになっています。
 さて、今日は外来の日なのですが、火曜日の外来がクリスマスイブでお休みになったため、今日一日にまとめられています。病棟も荒れていて移植は一件しかないのにもかかわらず、忙しい一日です。
 さらに、尾中先生は1月のVISAが更新できないので、1日以降は働けません。考えただけでくらくらしそうな状況です。

加藤望氏報告(術後3ヶ月目) 
 他の患者さんと同様に、3ヶ月たちましたので移植外科の外来は終了です。今後はプライマリケアーの医師に診察してもらって、検査結果をこちらにFAXで送ってもらうということになります。これで移植外科からは退院ということになります。長い間ご苦労様でした。


12月26日 病院見学
   今日は日本人の見学の方がいらっしゃいました。いつも見学に来るのは、日本人の方ばかりなので、他のFellowはどう思っているのでしょうかね。一応午後の回診を見学していただく予定だったのですが、回診がキャンセルになってしまったので、un-officialの回診ということで、日本人だけの回診です。こちらの患者さんは、それでも別に不思議がらないのが不思議です。
 ただ、少しでもこのように日本の方に移植医療を知っていただくというのはありがたいことですし、こちらも大歓迎です。

12月25日 クリスマス
   今日も当直です。幸い、今日はあまり呼ばれません。町は、クリスマスで静かです。患者さんの病室も、クリスマスのプレゼントやカードでいっぱいです。患者さんにとっては辛くて、哀しくて、怖い日々が続いているかとおもいますが、今日ぐらいは静かな日が過ごせますように。

 移植の患者さんは3ヶ月たったら外来が終了します、その後はプライマリーフィジシャンにかかることになっているのですが、なかなか対応してくれないことも多いようです。熱がでたとか、おなかが痛いとかでも見てくれないので、こちらまで連絡が来ます。そうなったら、こちらでは見ないわけにはいけないので、救急に来てもらうことになっているのですが、プライマリーはどうなっているのかと思うこともしばしばあります。

12月24日 クリスマスイブ
   世の中はクリスマス休暇のようですが、移植外科には休みがありません。特にクリスマスはみんな敬虔な気持ちになるのか、ドナーになってくださる方が出てくれます。
 昨日はのんびり原稿など書いていたら、夜10時から近くの病院で手術、2時に帰って3時からまた別の病院で手術7時に自分の病院に戻って、8時から手術です。明日も当直だし、先が思いやられます。自分がクリスチャンじゃないから、クリスマスに当直なのかしら?

 ePocratesは有料のPro Ver. 6.0がでたようです。治療メモのようなものがついて便利になったようですが、価格は49ドルと高めです。また手に入りましたら、お知らせします。

12月23日 100人飲み会のお知らせ
   今日エレベーターで見知らぬ看護婦さんが、「あなた日本人?だったら、うちの病棟に日本人の患者がいるから行ってあげてよ。」と声をかけれました。「Real Japaneseか?」と聞いたら、「奥さんも日本人だからそうだ。」と言っていました。
 僕がこの病院に来てから、Walk inでははじめてのReal Japanseです。すこしうれしくなって、その病棟まで会いに行ってしまいました。2-3分の面会でしたが、やっぱり日本人の患者さんはいいものです。(人種差別ではありませんので念のため。)
 部屋に戻ると、クリスマスカードが。移植外科から、のクリスマスカードです。なかには なぜか ターゲットの商品券です。クリスマスプレゼントはうれしいのですが、なぜターゲット?

100人飲み会のお知らせ(高校の同期へ)
 今年も例年のごとく100人飲み会を開催します。出来るだけ参加してください。
場所:千歳会館の王将
日時:12月30日午後6時

12月22日 ダラスへ戻ってまいりました。
   今日ダラスへ戻ってまいりました。明日から出勤です。今のところICUの患者さんは3人、そんなに多くないですが、またポケベルの日々です。やっぱりポケベルのない生活もいいですね。
 とりあえず、今回マイアミに行ってかなり元気が出ました。明日から頑張れそう...かな?
「アメリカドライブ」を更新しました。

12月21日 Mobileの町から
   今日はアラバマ州のモバイルの町からアップです。旅行中はダイアルアップでアクセスするわけですが、そうなると山のように来るスパムメールがとても邪魔になります。最近は一日100通近く来るので、時間をかけてダウンロードしても、殻をむいたら中身はほんの少しだけということが多々あります。マイクロソフトもどうにかしてもらいたいものです。
「アメリカドライブ」を更新しました。

12月20日 ディズニーワールド
   今日はディズニーワールドに行ってきました。ひとつのキャラクターから、これだけの大都市を作り出すというのは驚くべきことですね。これだけ世界中から人を集めて雇用を生み出したわけですから。
 何度もここに訪れる方もいるというのもわかる気もします。
「アメリカドライブ」を更新しました。

12月19日 やっぱり予定の旅行も
   さて、今日は北のほう足を伸ばしてOrlandです。ここにきたらJFK Space centerを見逃すわけにはいきません。なんだかんだとぐずぐずしているうちに、Centerについたのは2時半ところが、最後のツアーは2時15分だというではないですか。あまりにも早すぎます。ここまで来て発射台を見れずに帰るのは一生の不覚、仕方がないので土曜の朝にもう一度来ることにします。
 さて、もうひとつのDisney Worldは明日行く予定なのですが、道端に、格安チケット店がたくさんあります。どれぐらい安いかというと、一人58ドルの入場料が2人で35-50ドルになります。どういう仕組みになっているかといったら、朝、リゾートホテルの説明会に出席すればプレゼントされるというもの。怖いので結局避けることにしましたがどなたかこのチケットでディズニーランドにいったという方はいらっしゃいますか?
「アメリカドライブ」を更新しました。

12月18日 練習が大事
   せっかくフロリダまで来たので今日はマイアミ大学の見学です。他の、プログラムを見学するというのもいい経験になります。同じアメリカの移植と言ってもプログラムが違えば雰囲気もかなり違うものです。
 詳細はまたそのうちに。
「アメリカドライブ」を更新しました。

12月17日 ヘミングウェイの島
   アメリカドライブを見てください。
「アメリカドライブ」を更新しました。

12月16日 やっぱりフロリダ
   フロリダはアメリカ人が定年したあとの安住の地にしたいというのがわかるような、気候のいいところですね。今日は、マイアミの先まで来ました。
 さて、今回のドライブから偏光サングラスを使うようにしたのですが、最初その効果のほどが疑問だったのですが、フロントガラスに映った影を消す効果が大きいのですね。よく、ヤンキーが白い毛皮を前に敷いてフロントグラスに映って見にくくないかと心配していましたが、偏光サングラスを使えばばっちりです。
 最初はキーウエストに泊まろうと思ったのですが、ここのモーテルはダイアルアップが使えないといわれて、結局手前の内陸で宿泊することにしました。今日の宿泊地はComfort Innしたのですが、ここは新しい棟には全室にLANが引いてあります。これは非常にありがたいですね。インターネットが使えないとこの次に行く場所もわからないし、非常に不便をします。
「アメリカドライブ」を更新しました。

12月15日 一日中走り続け
   今日は一日中走り続けました。本日の宿泊地のDaysInnはビジネスホンのためインターネットにアクセスできません。
「アメリカドライブ」を更新しました。

12月14日 お休みします
   こういうときは、お休みを取るのが一番かということで、今日から一週間休暇をとってフロリダへ行ってきます。旅行記は「アメリカドライブ」に連載します。写真やリンクは後ほど載せますので、とりあえず工事中のままですがお楽しみください。(どの旅行記も未完成のままですが)

 さて、アメリカだと古い車が多いからかCDウォークマンの車載キットというものが、よくうっています。しかも、それをソニーが出していたりします。私も今まで使っていたものが調子が悪かったのでカセットテープ対応の車載キット(音とび対応)というものをBestBuyにて27ドルにて手に入れていきました。日本にいたときはCDチェンジャーが当たり前だったのが、このような原始的な方法もお宅心をくすぐって楽しいものです。今までのFM式のものに比べるとノイズが少ないのですが時々オートリバースが作動してしまうのがまだまだ改良の余地があります。
「アメリカドライブ」「リンク」を更新しました。

12月13日 再開します.
   長らくご心配をおかけしましたが、今日からHPを再開いたしますので、またよろしくお願いいたします。
 さて、先日のことですが、突然麻酔科の蘭字先生からポケベルがなって、「秘書のところに日本人の先生が来て困っているみたいだから助けてやってくれないか。」と連絡が来ました。駆けつけてみると秘書が、「彼にどうしてほしいのか通訳をしてくれないか。」と言っています。見ると、日本からの先生です。どうも、一週間見学をしたいということです。メール一本だけで来たという度胸にも驚きましたが、聞くと、Irvingからこのダウンタウンの病院まで、バスと電車を乗り継いできたというではないですか。多分、ダラスに住む日本人で、バスと電車に乗ったことがあるという人はほとんどいないのではないでしょうか。ちなみに、バスや電車はダラス市内なら1ドルでどこまでも行かれるそうです。今度試した見たいものです。

12月11日 Webmaster has been collapsed. Web page temporary closed.
   管理人は現在精神的に参っていますので、しばらく、HPの更新やメールへのお返事を行えない状態にあります。せっかくお越しいただいた方、申し訳ありません。御迷惑をおかけしますが、近日中に再開する予定ですので、しばらくお待ちください。
 みっちーや、小嶋氏のHPもどうなってしまったのでしょうか。同じような状況なのでしょうか。 

12月5日 神のお導きのもとに
   昨日の患者さんは一晩中の処置にもかかわらず、生命の維持は難しくなりました。全量の昇圧剤を使っても血圧が60を超えません。
 明け方にはDNRの了解をもらいます。家族からは、次のよう言いわれました。「If he needs any CPR, basicaly his codes again let him go to the lord.  Please do not resucitate.(心配蘇生が必要になったとしたら、それは運命が神様のもとへ向かうようにと言っている事なのだから、そのままにしてあげてください。」
 どんなに重症な救急患者さんでも助かるときは助かるし、あっという間に悪くなるときは悪くなってしまいます。僕は特定の信仰はありませんが,この仕事をつづければ続けるほど、この言葉の重みを感じます。
 お昼までにはチャプレン(病院内の精神的な面で支える宗教関係者)が呼ばれて、処置をすべて止めることにしました。ここでは、昇圧剤を止めたり、呼吸器を止めたりすることまで含めます。日本では、こんなことをしたら、安楽死だと行って逮捕されてしまいますね。呼吸器を停止するためのプロトコールまであります。
 お昼前には、家族から安楽死の要請がありました。
12時に安楽死のオーダーを出します。日本にいたら決してしないことですが、すごく気分が悪いです。オーダーはこれだけです。
12/04/02 12:00 D/C All Pressers, Change Vent. Setting to FiO2 21%.
(昇圧剤を止めて、呼吸器の酸素濃度を室内にしてください。)

このあとにはチャプレンについていてもらいます。こういうときにチャプレンがいてくれると

12:23にはお亡くなりになり死亡確認ということになりました。患者さんからは剖検の申し出があり、僕は患者さんの「剖検告知書/臓器提供承諾書」に記入をします。肝移植を受けた彼はここでまた、自分もまたその体をDonate(捧げる)ことになったのです。

12月4日 コードブルー
   今日は本当は研修医が当直だったのですが、昨日の夜に遅くまで働いていたということで、急遽当直を代わることになりました、かえってそれがよかったのですが、大変なことになるとは思いませんでした。
 今日もUT/SWの抄読会に行くことが出来ませんでした。

 さて、夕方8時ころ残りの病棟業務を片付けているとICUからコールです。「患者さんがPEAになっているので、コードブルーをコール(CPRコール)したからベッドサイトまで来ますか」と言っています。急いでICUまで下りると、術後再入院した患者さんが、挿管されています。先ほどまで、状態は悪くなかったのに急速に悪化しています。
 一度は心停止までしてしまいましたが、朝まで出来る限りの処置を続けます。

12月3日 小児の生体肝移植
   今日、明日と小児の生体肝移植が続きますので、その報告をいたします。ここでは、脳死肝移植が一般的なので生体肝移植(Living-Related)は年に10例ぐらいしか行われていません。
 ドナー(25歳の母親)の手術は朝7時半からで、当日入院です。術式は外側区域切除でです。肝切除はキューサーやハーモニックスカルペルなどを使わずに、電気ゴテで焼ききって、脈管は結紮していきます。12時には切除が終わり、バックテーブルでフラッシュだけしたあと、いつものコールマンのアイスボックスに詰めて子ども病院に運びます。
 子ども病院までは警察がエスコートしてくれると言っていたのですが、帰りが困るので、自分の車で運びます。この前IDをとったので駐車料金も払わなくていいですし。
 子どもの手術は11時半から始まっています。子どもは10ヶ月の胆道閉鎖の子です。肝臓を持ってきた段階では血管が露出されている状態で,僕の到着を待ってクランプします。10ヶ月の子どもでも手術は基本的に大人と同じように行います。術式としてはピギーバック+Roux en Yみたいなものになります。肝切離面にJPドレーンを一本入れて傷を閉じます。NICUまで患者を送ったらあとはNICUの医師が見てくれるので、大人のように移植外科で見る必要はありません。
 手術が終わったのが5時なのでまた病院に戻ります。そうすると明日は、いくつもの手術が平行でかなり忙しいので、忙しいのに手術をさせてくれないと、伴君が相変わらず汚い言葉で怒っています。尾中先生などは抄録を書いている途中なのに「そんなクリニカルレビューなんてやっても意味がないじゃないか、外科医なんだからもっと手術をさせてくれ。」ととばっちりです。尾中先生もかわいそうに。
 明日はそんなわけで僕はフォートワースで、腎移植です。

12月2日 2003年6月問題について
   今日ECFMGより新しいDS2019(IAP-66)が病院に届いたようです。それによると、再来年の1月まではとりあえずいられそうです。
 アメリカのセールでよくやっているものにメールリベートがありますが、今日の電源コネクターなどは、2.5ドルの商品がリベートで2.5ドル戻ってくることになっています。これだと、差し引き0円ということになってしまうのですが、これでやっていけるのでしょうか。

12月1日 もうすぐ一年
   12月に入ると、町はクリスマスの準備です。病棟も、すっかりクリスマスの飾りつけとなりました。このホームページも2万ヒットを超え、コンスタントに一日150ヒットを超えるようになりました。いつも読んでいただいている方がたありがとうございます。
 最近は本業が忙しいので、出来るだけ専念しようと思っていますが、できるだけHP は更新していきますのでよろしくお願いいたします。
 今日はクリスマスカードを入れる封筒をオフィスマックスに探しに行ったのですが、写真の大きさが4×6インチなのにもかかわらず、封筒の大きさは4 3/8×5 3/4と微妙に小さいのです。これより上の封筒はかなり大きくなります。チョッと困った。
 そういえば大きさだけではなく、点滴の速度もアメリカでは75ml/hとか125ml/hなど、1/4単位が多いいのです。日本だったら80ml/hとか120ml/hのようになりますね。
 今日から新しい研修医が来ました。彼もVisorを持っているようです。どんなソフトを使っているかどうかは。これから調べていきます。

11月30日 やっとDVD
   今日は遅ればせながら私も、DVDを購入することになりました。日本のビデオばかり見ていないで、すこしは、アメリカの映画でも見ることにしましょう。最近はレンタルショップでもDVDばかりで1回3-4ドルくらいで借りられます。最も買っても20ドルもしないので、レンタルショップもぼろもうけです。
 DVDプレーヤー自身は50ドルくらいで手に入ります。私はBestBuyで70ドルで購入しましたが、他のアメリカ人は割と日本の高級ブランドを買って行きます。きょうは、まだ、Thanksgibving明けで、バーゲンの続きなのか店内はかなり混んでいます。こちらの家電製品は、日本から持ってきたものをのぞけば、名前の知らないメーカーばかりです。
 ここのDVDは英語とスペイン語が入っていて、字幕も出るのですね。CDも再生できてすごいものです。でもCDだけをかけていると深夜にテレビで音楽が流れているときのようです。
 帰りにアルバータソンに寄ると、首里先生が、一人で大きな牛乳を買っています。彼もなんだか寂しそうです。今日は少し時間があるので、年賀状の印刷がてら、たまった請求書の整理です。学会の会費や、新しいチェックの作成もウエッブ上で出来るのですが、いちいちアドレスを打ち込まなければいけないのが、めんどくさいですね。

11月29日 どこが面倒を見る?
   きょうも当直です。まちは、たぶん感謝祭明けの大セールだと思うのですが、病院内にはアクティブな患者さんが多いので、なかなか外にでられません。そんなときに救急の看護婦さんから電話で、「どこも面倒を見てくれないから入院を取ってほしい。」というコールです。その患者さんは10年前に別の病院で移植を受けたのですが、免疫抑制剤を飲まないために、拒絶反応でまた肝硬変状態になってしまっています。そのような状態だと、再移植のリストにも載らないので移植外科の担当ではないのです。
 ただその患者さんは、今まであちらこちらの先生と喧嘩をして今ではどこでも見てくれません。そういう時はだいたい外科に話が回ってきます。患者さんはカテコールアミンが必要なほどなので、入院させないわけには行きません。コーディネーターは、他にも「よろしく」と入院を送ってきます。
 そんなわけで、今日も眠いです。ICUにも挿管するかどうかで迷っている患者さんが待っています。まだまだ忙しい日が続いています。

11月28日 Thanksgiving
 
 今日はサンクスギビングで、病院はお休みです。しかし、朝から移植があった上に、もうひとつおまけの手術があったので、午後までこちらは手術です。
 病棟に上がると、ボランティアのグループLovely Liverの方たちが、入院中で家に帰れない人たちのために、ターキーを配っています。こちらの、サンクスギビングデーは日本の正月や、お盆のようなものなので、みんな故郷へ帰って家族と夕食を共にするのが本来のすごし方ですからね。
 さて、尾中先生は私のアパートに引っ越してきてからとても気に入っているようです。「どうしてもっと早く知らせてくれなかったんだ!。」と言っていましたが、アパート選びには当たりはずれが大きいからね。

11月27日 しまった!
   明日は感謝祭の日にもかかわらず移植が3件です。伴君が「今月は僕は3件しかしていないのに、上野は10件もしているじゃないか、僕にやらせてくれ。」と行って、やりたがっていたのですが、堂尊先生から「3件立て続けにやっているからだめだ。」といわれてすねています。そんな中、2件目の移植はドナーの肝臓が不適切だったため、中止です。その患者さんが3件目となったため3件目で待機していた患者さんは、ところてん式に中止となってただのバックアップとなってしまいました。それを告げに行かなければ行けません。こういうことを告げるのが一番つらい仕事です。
 そんなときに伴君は「バックアップになったから、帰すべきだと主張します。」だいたい彼はいつも杓子定規です。
 婦長は「こんな時間にICUから患者を上げてくるなんて、手術が中止になったんだったらICUベットに余裕があるんだからあげる必要がないじゃないか。」と言ってきます。だいたい婦長も伴君もみんなそうやってまくし立てるから困ったもんだ。ぜんぜん、内容は日本の病院と変わらないからね。
 今回診を担当している蘭堵先生は、サンフランシスコから来ているのですが、日本人研究者が回りに多かったからか、「しまった」というのが口癖です。なんでそんな言葉を覚えているのかな。
 明日も、朝4時半から手術です。この連休は僕と尾中先生だけが下になるので(伴君と研修医は休みを取っている)静かに過ぎますように。

11月26日 よーよー?
   テキサス弁らしいのですが挨拶に「よーよー!」というのがあります。電話などでよく使われるのですが、Hi! What's going on?というような意味らしいです。上野も電話のときに使ってみろといわれるのですが、なかなかとっさには出て来ないですね。
 今日も朝から並列して肝移植が2件、しかも外来は週末が感謝祭で休みなので、大混雑です。あんまりにも忙しいので「Fuckin' Residentが休みなんか取るからこんなになるんだ!」と病棟で言ったら。看護婦さんがびっくりして、「上野先生忙しすぎて疲れているんじゃないの?」と心配されてしまいました。あんまり普段使い慣れていない汚い言葉は使うものではないですね。
 日本もそろそろ年賀状のシーズンだと思いますが、うちでもクリスマスカード/年賀状を作り始めました。絵葉書用のプリンター用紙が売っていないのが困ったことなのですが、写真を封筒に入れて送ることでどうにかしようと思っています。
 それから、お便りを下さった方ありがとうございます。返事が遅れることもある科と思いますが、管理人の励みになりますので。今後ともよろしくお願いいたしますね。

11月25日 20000ヒットありがとうございます。
   何とか徹夜で抄録を仕上げて病院です。今日も異常に入院患者が多く、病棟もSickな患者さんでいっぱいです。研修医は今週は休みを取っているので、それが忙しさに輪をかけます。だいたい研修医は感謝祭とかクリスマスとか一番いいときに休みを取るので納得がいかないですね。
 町は、気温が5度まで下がって、雪が降りそうな寒さです。でも、服装は夏のときとまったく変わらないですからね。
 そんな中でも、おかげさまで、2万ヒットを超えました。いつも読んでくださっている方ありがとうございます。

11月24日 盲腸炎
   さて、今日も日曜にもかかわらず肝移植に、腎移植2件。研修医が休みを取ってしまったのでまったく人手が足りません。昨日は私も徹夜で、伴君も手術、みんなヘロヘロです。
 そんな中、患者さんがアッペになったので、アッペの手術です。移植外科は他の科と違ってプライマリーもかねることになるので、盲腸の手術まで一般外科ではなくてうちで行うことになります。
 藤枝以来、アッペの手術は1年ぶりです。こればっかりは、手術の仕方は日本にいたときと同じだったので、なんかほっとしました。藤枝にいたときはアッペの手術ばかりしていたので、懐かしいですね。
 3日連続で睡眠時間2時間だね。今週末に明日の抄録を仕上げる予定だったのが、手術が立て続けに入ったため、今書いています(午前3時だ)。

11月23日 キッコーマン
   今日は土曜日だというのに、山のような入院とSickな患者さん達が多いので、とても帰りそうにもありません。
 そんな、脳みそが疲れてうにになっている私の前にICUの看護婦さんが、「こんなE-mail が送られて来たけどどういう意味だかわかるかい?と、病棟の端末に表示して聞いてきます。いかはその一部の抜粋です。

Not sure if this is really from Kikkoman or what but I sure wish I
understood Japanese (speakers on):
http://yoga.tripod.co.jp/flash/kikkomaso.swf

 この金魚の頭や、バナナはどんな意味があるんだい?と聞かれてなんて答えたらいいのでしょう?

11月22日 アメリカ的なサンダル
   昨日の当直は、病棟からたいしたこともないのに30分おきに一晩中呼ばれて、さすがに参りました。これには、看護婦さんも悪いと思ったのか婦長から「昨日は呼んで悪かったわね。」と誤られてしまいました。
 今日も外来は大混雑です。そんなときにわざわざ病棟から電話がかかってきました。なにかと思ったら、「病院用のサンダルが20%引きで1階で売っているから、会に言ったらいいよ。」とわざわざ病棟から知らせてくれた電話でした。こちらのサンダルは大きなスリッパみたいなものでKlogと呼ばれています。そういえば、昨日看護婦さんがどうしてKlogをはかないんだと聞いてきたので、わざわざ教えてくれたのでしょう。さっそく一足購入して(51ドルなり)明日試してみることにします。

加藤望氏報告
 今日は外来です。プログラフに変えてからの肝機能の調子はよいようです。来週からは週に一日の外来です。

11月21日 もうクリスマスかな
   何とか発表と原稿をこなしましたが、またすぐに学会発表の抄録の催促です。だいたい学会の抄録というのは、データー処理をそのときまでにしておかなければいけないので時間がないと大変です。どうも統計を専門にやってくれる人がいるようなのですが、どうやって頼んだらいいのかわかりません。そんな人は日本にはいないですからね。
 ご多分に漏れずに名前入りの白衣をオーダーしたら、忘れたころに到着しました。ところがけっちって$14と破格の安さの白衣にしたら、ぺらぺらで今ひとつです。やっぱり白衣にも$30近くはかけないとだめなのでしょうかね。
 今日も当直で夜に入院が2件です。今日は、UT/SWの勉強会があったのですが今日も行かれそうにもありません。町はまだ感謝祭の前だというのにクリスマスの飾り付けが始まっています。ラジオもクリスマスソングが頻繁に流れるようになって来ました。
 さて、昨日のジョークメールですがit infrequentlyかit in frequentかということです。
 最近、リンク先の男性のHPが更新されないですね。みなさんどうされているのでしょうか?

11月20日 Midnightてなんじ?
   昨日夜中にドナーの手術にDFWからのフライトがあるという話をしていましたが、10時のフライトからMidnightに変更になったという連絡を受けました。どうせ深夜というと何時になるかわからないからと思って、一眠りすると12時ごろにポケベルが「上野はどこにいるんだ?」「まだ家だけれども、連絡を待っていたんだ。」「Midnightといっていなかったか?」そう、Midnightとは12時の事を指すのですね。 僕は昨日まで「Midnight」というのは深夜のことなのかと思っていました。参った参った。
 ご多分に漏れずにご多分に漏れずにどの机もコンピューターの端末でつながっているのですが、時々ジョークのメールが送られてきます。そのギャグとはこんなものです。

 お年寄りのカップルがが老人ホームで恋に落ち、結婚することになりました。結婚に当たって彼が夫婦生活について彼女に尋ねます。
彼女はこう答えます。
「I prefer to have it infrequently.」
それに対して彼はこう答えます。
「Is it one word or two words?」

 コーディネーターがみんな笑っているのですが僕は説明されるまでわかりませんでした。種明かしは明日にて。

 今日もMobile Surgenでフォートワースで移植が一件と、その他のオペが一件です。帰りのみっちは丁度いい時間だったので大渋滞です。今日は明日までに原稿と、発表のプレゼンの用意をしなければ。また徹夜だ。
 いつも思うけれど、統計関係の解説のHPというのは充実していますね。親切な人がそれだけいるということでしょうか。

11月19日 今日もお出かけ
   最近すっかり目が悪くなったので、めがねを新しいものに買えたのですがそこでも店員の対応がいい加減で、ケースを忘れたり、保険の請求の方が違っていたりして何度も言いに行かなければ行けません。まあ言ったもの勝ちですが。
 今日も夜10時からDFWからにフライトでドナーの手術、そして明日はその足でフォートワースで移植です。締め切りも近いし大変だ。
  ところがフライトは深夜に延期、あさってには抄読会のプレゼンテーション(CMV と拒絶反応について)もあるし、急いでスライド10枚作らないといけない。最近はみんなが発表をコンピューターでするので、抄読会でもプレゼンテーション用のスライドを作らないといけないのです。
 きょうソーシャルセキュリティータックスを払わなくていいことが判明、また、病院の事務と掛け合わなければ。

11月18日 学会もかっこいい
   今日学会より入会のパッケージが届いたのですが、メンバーシップの証書なども、アメリカの卒業証書みたいにかっこよく出来ているのですね。今までいくつかの日本の学会に入っていましたが、会員証書みたいなものが届いたことってないですね。こういうところも商売っ気がいっぱいです。でも、どうじに学会の抄録の締め切りの催促も届いたのでブルーです。今週いっぱいにいろいろ締め切りがあるので、お返事遅れてすいません。
 そんなときに、クリエを置き忘れたりします。これがなくなると、かなり仕事に支障がありますからね。必死になって探しました。伴先生が、「だから僕はPalmを持たないんだ。」といわれてしまいました。結局Medical Recordでカルテにサインをしている時に落としたらしいです。椅子の後ろにちょこんとありました。Palmを使っている人はどれぐらいの頻度で壊したり、なくしたりするのでしょうか。

11月17日 患者さんからの手紙
   先日、昔当院で移植を受けた患者さんよりメールをいただきました。このように患者さんからメールをいただいて感激したので、御本人の承諾を得てみなさんにも一部御紹介したいと思います。また、このように患者さんの声を聞くことが出来るのが、何よりのHPを作る喜びですし、この仕事が誇りです。

私が、日本で肝硬変の末期の時、息子は小学一年生でした。
当時、日本の医師から
「息子さんの小学校の卒業式は見れないかも知れません」
と言われました。
早いもので、息子は今小学校4年生です。
きっと、卒業式には出席できるはずです。
これからも、ずっと、息子の成長と供に、生きて行けます。

今は、あたりまえの生活が過ぎています。
自分が、かつて死を覚悟したなんて、信じらせません。
生きていると、色々と困難なことがおおいです。
それでも生きていることは、素晴らしい。
私が、ダラスで学んだこと。
それは、家族一緒に暮らせる、それが一番大きな幸せであることです。

11月16日 今日は久しぶりにひま
 
 今日はひさしびりに手術がなく時間があります。かといっても来週までに学会の抄録を書かないといけないのでデーターをまとめなければいけません。
 最近は、掲示板に問い合わせが来ているのを、ダラス在住で、「Wild Flower Trail」管理人のジャスミンさんと、「Vista Point」のマヤさんに手伝っていただきました。お二人とも面識はないのですが、ダラス関係のHPを作られている関係で手伝ってもらっています。メーリングリストも活発ですし、一昔前ならまったく考えられなかったことです。
 そんなメーリングリストのひとつのfmjのボストンの萩野先生がいらっしゃいました。寿司矢間にてoff会を催しましたが、写真だけ見ていると日本の居酒屋で飲んでいるようです。萩野先生もお忙しい中ありがとうございます。

免疫抑制剤−はじめに−
 前回お話したように、移植を受けた患者さんではそのあとにいかに拒絶反応を防ぐかということが重要になってきます。そのための薬が免疫抑制剤です。
 現在主に使われているのは主力がネオラール(サイクロスポリン)、プログラフ(タクロリムス)という薬と、それに加えてセルセプト、ラパミューン、ステロイドを併用して内服するのが一般的です。
 主に使うネオラールとプログラフは拒絶反応を引き起こすTリンパ球を抑える働きがあります。感染症や腎機能障害や手の振るえ、などの副作用がありますが、頻繁に血液の濃度を測って副作用が少なく拒絶反応をおさえる濃度に調整していきます。抑える量に調整していきます。また、術後経過するにつれて、血中濃度を下げていく(薬の量を減らすので)こういった副作用もだんだん少なくなってきます。
 このうちでもプログラフは、サイクロスポロスポリンより効果がある免疫抑制剤として、つくばの土の中から見つかった菌(S. tsukubaensisとちゃんとつくばという名前が付いています。)から取られた薬で、日本の藤沢製薬が開発しました。日本製の薬でこれだけ使われている薬もなかなかないでしょう。
次回は免疫抑制剤-ステロイド-についてです。
一応目次としては
免疫抑制剤−その他−
急性拒絶の治療−リサイクリング−
移植後の感染症
肝炎に対する移植
・・・と続けていく予定なので、加藤氏関係者でリクエストがあればお教えください。

11月15日 スーパーインターン
 
 今日は僕は外来担当だったのですが、最近移植が立て続いているため外来も大混雑です。3時間で40人近くを見ないといけないので、日本の外来と変わらないような忙しさです。
 そんなときに限って首里先生「お昼を外に食べに行こう」と言い出します。彼は近くのタイ料理がお気に入りで、アメリカ人の彼女が辛い料理が嫌いなのが悩みの種です。私のほうは、外来の後の、コーディネーターとの打ち合わせがあるので、20分だけ行ってグリーンカレーを食べて病院にとんぼ返りです。伴君は給料について首里先生と話していたのですが、聞く暇はなしです。かれは、ここに来るまでシカゴでチーフレジデントとして指揮をする立場だったのが、今はインターンと同じです。子ども病院のチーフレジデントの待遇を見ると、彼の不満もわかるきがします。確かに、アメリカの段階的な教育システムはよく出来ています。
 外来の患者で超音波ガイド下の生検をしなければいけなくなったのですが、放射線かに連絡しても、休みだから月曜までできないとの事。ここが日本と違って、超音波が放射線科に握られていて困るところです。結局、無理やり僕がするということでけりが付きましたが、日本だったら病棟でも簡単にできるのに大変です。外来の打ち合わせが5時近くまでかかったので、外来処置の患者さんは6時ころに病棟に上がってきて、婦長は勤務交代の時間なのにと怒っています。堂尊先生はもっと頭を使ってアレンジしなければだめだと言っていますが、英語が話せないというのがわかっているのかな?今日も当直です。

加藤望氏報告(術後48日目)
 今日外来にいらしていましたが、経過良好です。すいませんが移植の連載は一段落するまでお休みさせてください。

11月14日 日本での移植
   今日も朝から肝移植です、僕が手洗いしただけで、2日に1件の肝移植なのでずいぶんな数です。
 さて、日本の脳死肝移植も30例に近くなってきたようです。ダラスでの移植をということで問い合わせが着ていた患者さんが日本で移植を受けることが出来たようです。よかったですね。アメリカは移植の件数が多いですが適応も広いのと、現在肝臓ガンが優先順位が高いのでそれ以外の患者さんはよほど状態が悪くならないと移植を受けることが出来ません。
 近いうちに、日本人が外国に行って移植を受ける必要のなくなるようになるのがによりです。
 さて、健康保険の締め切りが明日までです。アメリカは国民皆保険でないので自分で保険を選んで加入しなければなりません。医療保険が3種類、歯科保険が3種類、眼科保険といわゆる生命保険や傷害保険など組み合わせは多岐にわたります。保険に関しての詳しい説明はまたおいおいしたいと思いますが、特に来年は、今までEPOかPPOだけを選べばよかったのが、値段の近いCDPというものまで入ってきてますます比較が難しいです。

11月13日 しばらくお返事が遅れます。
   この忙しさのまま、尾中先生が学会と称して遊びに行ってしまったのでフェローは2人だけです。しばらくメール等のお返事が著しく遅れるかと思いますので、よろしくお願いいたします。

11月12日 偽医者かも
   しかしこうやって違う病院でそこの医者のような顔をしているというのはなんか不思議ですね。アメリカの病院はオープンシステムをとっているところが多いので、だれも疑いません。僕が偽医者でも何にも証明するものがないですからね。
 さて、今日はそのあとで小児病院に行きました。IDカード無しで一年過ごしたのですが小児病院やParkland HPに行く度に駐車料金を取られるので、やっぱりIDを作ることにしました。FellowはMedical Educationで登録するのですがここでも自己申告なので、証明書などなにもありません。ちなみに、ここにはChief Residentの部屋というのがあって、Chief Residentはちゃんと個室を持っているのですね。すばらしく勤務環境のいい事。
 そのあとに、近くの本屋に本を探しに言ったのですが、そこで、東洋人がいたので日本人かと思って(靴下にサンダルを履いていたので)声をかけてみました。ところが上海出身の中国人でした。もともと一般外科医だったのですが、こちらにコンピューターの給料がいい仕事が見つかったので移ってきたそうです。だから医者は辞めてしまったのですね。しかし、グリーンカードを取ったのでまた、アメリカの医師免許試験を受けて病理医になろうとのことらしいです。いろいろな人生があるものですね。
 さて、外科と感染症についてチョッと書いておきましょう。
当科で行われている移植以外の手術では術前の一回投与です。投与薬剤はAncef(1st gen. cef)かZinacef(2nd gen cef)が一般的なようです。 あとは菌が分離されてから抗生剤を決めるということになります。
 移植のような免疫抑制の患者さんでも、術後はZinacef POD2までということになっています。もっともうちでは、GMVとfungusの予防投与としてはValcytとAmphBをPOD10まで投与しています。
 まあ、もっとも外科的局所感染症では抗生剤よりドレナージですからそちらのほうが興味深いですね。
 興味深いのは傷の消毒とドレーンです。日本の病院では朝の回診といったら包交といって傷をイソジンで消毒して、ガーゼを交換するのですが、こちらの病院では翌日ガーゼを取ってそれっきりです。包交(Dressing change)ということもしませんし、包交車というものもありません。合理的に考えて、表皮が閉じたあとにその上を消毒しても傷感染には関係がないはずですが、前にいた病院の婦長さんがイソジン綿球のコストを気にしていたのを考えるとさっさとやめてしまえばいいとも思いますね。
 ドレーン関しても、予防的ドレーン(information drain)というのはおかないのが
一般的だそうです。現在肝移植後の患者さんはチューブレスです。パンペリの患者さんもチューブレスです。ドレーンは局所の廃液しか促さないのと、逆行性感染症の原因になるのでおかないです。ペンローズなどもってのほかです。明らかに浸出が予測されるときは、クローズドのJPドレーンなどをおきます。
 それでは、腹腔内膿瘍が出来たらどうするか。そのときはinterventionalradiologyの出番です。ドレナージチューブを入れてもらいます。IRが発達しているので、外科が手を出す必要はありません。それよりも大きければ、そのときはWashoutに手術室です。
 ちなみに、感染症とは関係ないですがイレウス管がないとか、タンパク分解酵素阻害剤(フサンの類)がないということもありますね。

11月11日 フォートワースの夜
   さて、夜の肝移植の手術中にまたまた、フォートワースで移植があるからという電話です。このプログラムはダラス、フォートワース地区の4つの病院をカバーしているのでこう続くと大変です。2時に手術が終わったあと、6時からダラスで回診、9時の手術のためにすぐにフォートワースに向かいます。
 今日は移植後の患者さんのフォローのためにフォートワースの当直です。ここは、肝移植始めたばかりでまだ今日のが7例目なので、泊り込みで見ないといけません。(ICUの看護婦さんがなれていないので、)もっともここの病院のほうが規模が小さいので、看護婦さんはだいたいダウンタウンよりもやさしいのですが、日勤の看護婦さんに「夜勤帯にはイギリス出身の迫力のある看護婦さんがいるから頑張ってね。」と人を不安に陥れることだけ行って当直室を案内してくれました。
 あてがわれた当直室は移植病棟の空き病室です。まあ、電話線が付いているのでモバイラーとしては満足ですが。こうやって、インターネットにもアクセスできます。今日の患者さんも日本びいきの患者さんで、息子は毎年夏に日本で過ごして、今日本人の高校生がホームステイに来ているようです。日本びいきの人はかなり多いですね。

11月10日 さすがにチョッと疲れてきたかな
   今日も秋晴れの日曜ですが、移植です。これだけ続くとさすがにみんな疲労の色が隠せません。病棟に移植後の患者さんがたまってくるので、病棟管理も大変です。HPの更新、加藤氏の報告に関しても滞ってしまって申し訳ありません。また、メール掲示板へのお返事が遅れますのでお許しください。
 さて、ここの病院では一般病棟では循環系の作動薬はたとえアトロピンでも使うことが出来ないんですね。それから、モニターはたとえSatO2モニターでも連続測定は出来ません。そのような時はICUへ運ばないといけないのです。日曜ですが昼間の回診からそのまま夜また肝移植です。

11月9日 カチャカチャ
   最近では肝硬変の患者さんで腎不全を合併している人には、肝腎同時移植を積極的に行っているので、昨晩も肝腎同時移植で24時間で3件連続です。
 肝移植の部分が終わって、腎移植に移るときProgram Direcotr突然僕に向かって「メス」といいます。腎移植は通常右側に腎臓を植えるのですが、この患者さんはストマがあるため左側、つまり前立ちの僕の側になります。
 もう2時を回ってみんな疲れてきています。こういう夜中の手術しかも肝移植に続けてなので、腎移植3例目の僕にとっては少々荷が重いです。
 解剖的にも難しかったため、手術に時間がかかります。しかも前立ちの先生は導いてはくれません。前のボスもそうでしたが、術式を全部覚えていないといけないのでそれもプレッシャーです。
 どんどん、器械出しや、外回りの看護婦さんが機嫌が悪くなってきます。こういうときに、こっちの看護婦さんはすごく態度に表すので、機械を片付けだしている「カチャカチャ」音がすごいストレスになります。結局手術が終わったのは4時半過ぎでした。麻酔科の先生の、「Good Job.」というのが唯一の慰めです。でもちゃんとすぐにおしっこが出てくれてよかった。
 ICUに戻ったらそのまま、朝の回診です。さすがに今日はつかれきっていたので、他のFellowが元気だったため先に帰らしてもらいました。
 ダラスはとてもいい秋晴れだったのですが、夜まで御休みです。

11月8日 大事な仕事
   昨晩、今日と相変わらず移植が多いです。肝腎同時移植が2件続いて行われています。そんなわけで、今日は病棟を一人で見ないといけません。
 埼玉の小児病院にいたときから続いている大事な仕事に、朝のコーヒーを入れるというのがあります。一日10杯以上のコーヒーを飲むコーヒー党なので、あさはおいしいコーヒーを飲みたいものです。
 そのままアメリカ人に任せていると、アメリカンコーヒーといわれているように薄いコーヒーになってしますので、二倍の豆を使って、濃いコーヒーを入れます。
 最近は忙しいのが続いているので、今日は終わるかと思ったら、夜は肝腎同時移植と、膵腎移植がまた予定されています。残った戦力がFellowだと僕しかいないので今日はまた一晩中手術です。
 そういう時は、外まで買物に行く時間も気力もないので、手術室の前にある自動販売機が重要な栄養源です。これは、よくアメリカにある、中の見える回転式の自動販売機で、サンドイッチなどが、$1-1.5位で売っています。そんなわけで、今日の夕御飯はローストビーフのサンドイッチ$1.5なりです。

11月7日 移植についての解説
 
 ECFMGのPermanent ValidationはACGME-accreditedのプログラムに入っていないのにもかかわらずでているようです。Medical Educationでは、例外処置としてでていると行っていました。だから、もうTOEFLやCSAを受ける必要はありませんが、2003年6月問題はまだクリアーしていません。まあ、アメリカの場合は日本に比べると、この「例外処置」というのがよく見られるので、今後に期待したいものです。
 前回の、Princilpal Investigaterとしてのお題が放射線科から一足先にでていたという問題については、リサーチナースのボスから催促が出ていたので、放射線科と話し合いです。まあ、結果としては、放射線科も移植外科の臨床データーがほしいので、共同でやるということになります。
 今日は朝から腎移植が一件です。今日も手術をさせてもらえました。
 移植の用語についていくつか説明してほしいという要望があったので、簡単な解説を連載していきます。御希望がありましたら、(特に加藤氏関係者の方)御連絡をいただけたらその項目について解説します。

加藤望氏報告(術後40日目)
 今日からまた急性拒絶反応の治療のリサイクルのために入院です。また、月曜日に肝生検を行って、結果がよければ退院ということになります。

急性拒絶反応(リジェクション)
 移植された臓器は本来自分の臓器ではないので、正常の免疫反応によって体から排除しようとします。その主な働きはリンパ球と呼ばれる血球によって行われています。放って置くとリンパ球が移植された肝臓を攻撃してしまいます。これが急性拒絶反応と呼ばれるものです。急性拒絶反応が起こると肝機能の結果が悪くなって、そのままにしておくと、発熱、腹痛、黄疸などの症状がでて、最後には肝臓を失うことになります。もちろん移植後の患者さんはそうなる前に、肝生検で拒絶を初期の段階で発見するようにします。
 拒絶反応を抑えるための薬が免疫抑制剤です。サイクロスポリンという免疫抑制剤が開発されて以降、安全に肝移植が行われるようになりました。
 しかし、リンパ球は、もともと正常な免疫システムですから、たとえばウイルスに感染した細胞を破壊するような役目も担っています。ですから、あまり強く免疫抑制剤を使っていると、感染症にかかりやすくなったり、また、腎毒性などの副作用を免疫抑制剤自身が持っているので、その副作用が強く出たりします。
 移植後の患者さんのうち半分以上の患者さんが急性拒絶反応を経験します。現在の移植外科では、科学的にどの患者さんにどの程度の免疫抑制剤が適しているのかわからないので、いくつかの薬を試してみるということになります。
 加藤氏の場合もネオラールで拒絶反応がなかなか抑えられないので、プログラフという薬に代えることになります。
 次回は免疫抑制剤について

11月6日 秋晴れ.
 
 今日は朝、ICUと病棟の患者さんを見たあとお昼からFt. Worthで手術です。今日はダラス地区は秋晴れのすばらしいお天気なので、こんなときにドライブというのは悪くありません。ただ、往復130Km もあるので、ガソリン代がかかるのがかなわないですね。フェローは貧乏なもので。
 今日はUT/SWでダラス日本人研究者の会のジャーナルクラブがあるので、そちらに参加しようと思って、夕方ダラスに戻ってきたら、午後から肝移植があるとのこと、結局手術が終わったのは夜の10時過ぎです。なかなかこういう会にも参加できないのが、寂しいですね。
加藤望氏報告(術後39日目)
 昨日の肝機能の結果が上がっていたので、今日は肝生検です。残念ながら、結果は急性拒絶でした。また、明日から一週間ほど入院してステロイドによる治療です。拒絶反応が続いているため、主力の免疫抑制剤をネオラールカらプログラフに変更する予定です。

11月5日 I did it.
   今日の肝移植は首里先生の手術です。首里先生はあまり手術を前立ちにさせてくれないので、フェローにとってはイマイチです。フェローにとっては手術をさせてくれる先生がいい先生ですから。
 そんな首里先生どうしたのか「今日は肝摘出をやらしてあげるから。」と、肝摘出の術者をさせてくれました。肝摘出はまだ一度しかしたことがありません。
 肝摘出をしていたら、「意外と上野はうまいじゃないか(今まで手術をさせてくれないから)」「これだったっら、血管縫合もするか?自信はあるかと聞いてきます。」こういうときは「はい」と言うしかありません。そうでないと次の機会はいつになるかわかりません。いつでも、本番はいきなりやってきます。
 そんなわけで今日は始めて肝移植をすることになりました。途中器械だしの看護婦さんから、「針を置くときはちゃんと声をかけてください。」と怒られましたが、一応無事に終了しました。手術時間5時間15分、温阻血時間50分なので、まずまずでしょう。2000の1月31日に盲腸の手術をはじめてしてから肝移植をするまで2年半です。アメリカまで来たかいがあったというものです。だいたいはじめて手術をしたときというものは覚えているものです。今日のこともずっと覚えていることでしょう。(注:もちろん私がしたとしてもAttendingの確認のもとで行っていますので、患者さんの成果には影響ありません。)
 あしたは、またFt. Worthに出張です。伴先生からは「Visiting Prof.」みたいだなと、慰め交じりに笑われました。

11月4日 ハンコはだめ?
   昨日は、人手が足りなかったようなので、夜12時過ぎにオフにもかかわらずポケベルがなりました。手術室からです。「アーこれを取ってはいけない。」と思いつつも、やっぱり気になるので取ります。「上野、帰ってきているんだったらドナーのところにバイオプシーに行ってくれ。」やっぱり取ると仕事です。肝炎のドナーさんは移植の適応があるかどうか、事前にバイオプシーで確認します。しかも、車に生検キットを積んでいなかった。しまったなーいったん病院までとりに行かなければ。
 そんなわけで、生検の検体を病院まで届けてからまた一寝入りです。
午後は、プログラムディレクターからまたミーティングです。要するにこの一月から僕と伴君がシニアーフェローになるということで、ちゃんと全体的に患者を見てもらわなければ困るということなのですが、僕が100%英語が聞き取れないということをわかっていません。このためには、看護婦さんとの雑談も重要なのですが(そうですよね。)そこがまた難しいんだな。
 今日はメディカルレコードにカルテのサインをしにいったら、最近のカルテがみんな戻ってきました。公式のはんこをもらったので(下のようなもの)調子よくみんなサイン代わりに押していたら、サインも一緒じゃなきゃだめだとのことなのです。
TAKEHISA UENO, MD
TRANSPLANT SURGERY
DICTATION # 2649
結局全部サインのしなおしなのですが、サインはチョンみたいなものでもかまわないのです。なんか納得がいきません。
 そういえば月初めの御挨拶を書くのを忘れていました。HPの開設から半年たって16000ヒットを超えました。最初から応援してくださった方、途中から読み始めていただいた方ありがとうございます。リッパな文章はかけませんが、少しでも、こちらの様子がわかっていただけたらありがたいです。 

 アメリカに臨床留学をしている人のひとつの問題に2003年6月問題というものがあって、ECFMGがこれ以降はJ-1 VISAをACGME-accredited program 以外には出さないということがあります。
 多くの外科系のfellowのプログラムはACGME-accreditedではないので、来年6月以降はVISAがでないという問題に直面します。うちのプログラムでは、ACGME-accreditedのプログラムになるということで(ECFMGのpermanent validationがでたので)、これを乗り切ったようです。
「ECFMG」を更新しました。

11月3日 サブウエイ
   ミッドランドは今日も天気がぐずついています。朝から、のんびりとデーターの処理をして、モーテルの無料の朝食を期待して出かけましたが、やはりたかが知れたトーストと、シリアルぐらいのものでした。
 お昼前にチェックアウトをして、まず最初は少し西に向かってSand Hill State Parkへ、こちらは砂丘があり、ビジターセンターも完備されています。入場料は$2で、受付のおばさんが「5分のビデオがあるからみていけ。」と言っています。時間がないので、ざっと見渡し、砂丘を見学しましたが、先月に White Sandに行った後だと、あまりぱっとしません。ともかく天気が悪くて寒いです。
 お昼にはいったんMidlandまで戻って、空軍記念博物館へこちらは、第二次世界大戦の展示が中心で日本人としては感慨深いです。飛行機の展示は、ハンガー内にそのまま展示があり、おじいさんと子どもが補修を行っています。こちらの博物館は充実しているので、戦史と飛行機に興味のある方はかなりいいのではないでしょうか。
 最後に、石油博物館を訪れます。こちらは$5で、石油の掘削に関する展示と、古い掘削機が展示してあります。かなりお金をかけて地質学の教育に力を入れた展示となっています。
 あとは天気の悪い中をひたすらダラスまで走ります。そういえば日本でもおなじみですが、サブウエイというのがアメリカに来てからは他のファーストフードと違って野菜が補給できるので、無性に食べたくなります。ただ、いちいち野菜やドレッシングを注文しなければならないので、その点に関してはハードルが高いですね。
 最近は夜が早く6時には暗くなってしまいます。暗くなってからのRest Areaは危ないので、夜はドラック相手のガソリンスタンドが人でも多く比較期安全です。
 テキサス内でのお勧めは「Loves」というガソリンスタンドで、中は広く、ファーストフードも大抵付いています。
「ダラス近郊観光」を更新しました。

11月2日 Simon Says
   ダラスはすっかり冬となってしまいました。今日も朝から寒いです。前の日にオフがキャンセルされてしまったのをかわいそうに思ったのか、今週末は休みにしてくれました。さすがに帰宅したのが3時なので、朝9時に起きて行き先を考えます。今日はテキサス中天気が悪いので、一番雲の薄そうなMidlandに行くことにしましょう。距離は350マイルなので、時間は6時間ほどかかります。冬時間に入ってからすっかり日が落ちるのが早くなってしまいました。6時くらいには真っ暗です。
 ここはブッシュ大統領の出身地で、航空博物館と、石油博物館が主な見所となっています。どちらの博物館も土曜日は5時までで当然間に合わないのですが、日曜は航空博物館が12時、石油博物館はなんと2時からです。
 宿泊は隣町のOdessaのHoliday Inn Expressで$41です。これで朝食つきなので、比較的安上がりですね。よく観光案内所などで無料で手に入るDiscout Guideのクーポンが珍しく今日は使えました。
 日本に戻るころにはテキサスの観光ガイドを完成させたいと思っていますのが最近はHPを更新する余裕がないのが残念です。
 さて、フェローを含め職員はSimon Saysという安全マニュアルを読んで、問題を解いて提出しなければいけません。55ページのマニュアルで問題が88題もあります。中身は障害物があったときはどこに報告するだとか、感染の対策などですが、とっても大事なことですが、抄録や原稿がたまってきている今日この頃ではかなりつらいです。と思っていたのですが、患者さんのプライバシー対策や子どもの誘拐についてなど面白いことも載っていますね。
「ダラス近郊観光」[病棟]を更新しました。

11月1日 そんなのあり!
   今日は朝からなかなか不具合が多かったです。昨日から家の電話は完全に普通になっているし、病院に出かければ、この前申請したプロジェクトのひとつはこっちが書類の出し方がわからなくてもたもたしているうちに、ひと足違いで、別のDr.が申請書を出してしまっていました。
 さらに、あさってから、休みを取ってフロリダに行く予定だったのが、人手が足りないからと突然キャンセルさせられて、ボーゼンです。3週間の休みがあると言っても、結局は日本の有給と同じように取れません。その点レジデントは堂々と休みが取れるのでうらやましいです。彼らは、この移植外科とはその場限りの付き合いなので、わがままはいくらでもいえますからね。
 さてはともあれ、今日から女性の研修医が来ました。さっそく彼女と一緒に夜の1時まで膵腎同時移植ですが、なかなか頑張ってくれそうな感じです。今後を期待したいですが、どうなるでしょう。
 病棟のハローウインの写真は近日中にアップします。さすがにこれだけ忙しいと、HPをアップできません。
「レストラン」を更新しました。

10月31日 ここはどこ、私は誰!
 
 そんなわけで、朝ヘロヘロになって病棟に上がると、みんな怪しげなカッコウをしています。「上野先生なんで、そんな格好をしているのですか、配役を決めていたじゃないですか。」
 おお、そういえば今日はハローウインだった。14階の移植外科の病棟では、ミュージカルの「グリース」の格好をすることに決めていたのです。病院中に怪しげな看護婦さんが歩いています。今日も当直なので、夕方、救急に呼ばれていったら、ここでも尼さんの格好をした看護婦さんや、鬼が歩いています。
 病棟の看護婦さんなら、みんな知っているからまだいいとして、救急の看護婦さんだと、救急に担ぎこまれて、いきなり尼さんに診察されたら患者さんも驚くでしょうね。
 今日も救急の患者さんやらなんだらで、1時まで仕事です。さすがに眠すぎます。
 ちなみに左の写真は病棟の看護婦さん達の格好です。

10月30日 You Did it!
   今日はさすがに暇かと思ったら、突然「明日のM&Mのプレゼンテーションをしてくれ。」というお達しを、昼ごろになってから受けました。「それって毎月月初めじゃないの」といっても、「前から決まっていたんだ。」とつれない言葉、秘書がFellowにまで伝えてなかったらしいのです。
 急いで、明日の発表一時間分の症例を集めてスライドを作らなければなりません。今日は夜に夕食会があるのです。午後の回診を誰かに頼んで、準備をしようとしていたら、ポケベルがなって、「今すぐに小児病院の手術室8号室に来てくれ。」との連絡です。やっぱり相変わらずMobile Surgeonです。
 手術が終わったら急いで夕食会です。尾中先生たちの肝移植の術者をお祝いして行う会なのですが、The Rivieraというレストランで、ちゃんとメニューも専用に印刷されたものです。これは、You Did It Awardと呼ばれていて。移植外科医の第一歩を踏み出したということで、贈られるのです。なかなか粋な計らいですが、Attendingが「いいワインが、飲み放題なんだから飲まなきゃソンだ。」という言葉に吊られて、少々飲みすぎました。明日の朝までにスライドを完成させなければいけません。患者さんの写真も取り込まなければ。徹夜でスライド作りです。昨日と明日も当直なのに涙がちょちょぎれそうです。

10月29日 ハロー上野?
 
 尾中先生は週末の引越疲れがたまっているのか、朝からギャグがさえています。昨日の夜から仕込んでいたと言っているねたは、「今年のハローウインの当直は誰か知っているかい?ハロー上野なんだ。」ハローウィンと上野をかけているらしいのですが、尾中先生らしいギャグです。やっぱり引っ越し疲れがたまっているのでしょう。
 そんな彼でも、さっそくアパートから病院までの通勤路でどの経路が早いかを調べています。「Classical Pathway(前のアパートを通る道)のほうが、Alternative Pathwasy (僕の通る道)より幾分早いようだ。Alternative Pathwayは信号が14個もあるから遠回りをしたほうが早いんだよ。」
 Officeの掃除に来ているおばちゃん(というには若いけれど)、メキシコ人の女の人で、準夜の時間にはいつも決まった人が来ます。今日チョッと話をしたのですが、メキシコシティー出身の人で、アメリカ人と結婚してダラスに来たそうです。来たときは景気がよかったそうですが、最近はすっかり景気が悪くなって、仕事がなかなか見つからないそうです。今の仕事は、1年前に友達の紹介で始めたそうです。
 テキサスウエッブリンクに参加しました。しかし、テキサスのHPは女性作のものばかりですね。「女の中に男が一人」だね。Michiさんあたりでも参加してくれないかな。
「テキサスウェッブリンク」に参加しました。

加藤望氏報告(術後31日目)
 今日は外来にいらしていました。肝機能の結果も問題なく経過良好です。

10月28日 夜間飛行
   そんなわけで、またDFWからのフライトです。今日の行き先はヒューストンのMemorial Hermann Hospitalです。小雨交じりのダラスでも、上空に上がれば満天の星が広がっています。
 Hormann Hospitalには壁一面に、病院の職員の働く姿がモノクロームの写真になってかがっています。写真と言っても芸術的に仕上がっていて、ちょっとしたギャラリーです。
 そんな壁の中に病院の歴代の写真が貼ってあったのですが、ふと見ると現在の院長はDr. Nishikawaと書いてあります。ここが、Dr. Nishikawaが院長を勤められている病院のようですが、とっても大きな病院でした。
 帰りのフライトでは、今日は朝ごはんが用意されていませんでした。このまま、フォートワースで移植なので、食料がないのはかなり苦しいですね。
 この一週間で3つのフライトで6つの病院にいき、6つの肝移植と、3つのハーベストです。かなり過酷な一週間でした。(過去形で終わってくれるかな?)

10月27日 路面電車
 
 そんなわけでフォートワースで移植があったあと、ダラスへは3時ころに戻ってきました。最近手術室では、水もブラシもいらない手洗い消毒薬の売込みが盛んなのですが、なんか水洗いをしないで消毒薬を塗りこむだけだとどうしてもきれいにならないようなきがします。
 マクドナルドではダラス市の周辺ではさすがに都会だからか、「ダラーメニュー」と銘打って、1ドル均一のメニューを作っています。先月ぐらいからはそれにBig'N Tastyが加わって、ハンバーガーでは最安値となっています。お昼はそれを食べながらダラスまで戻ります。
 ダラス市からフォートワース方面にI-30をすこし行ったところに、ダラスの中央郵便局があります。ここは24時間営業なので、急ぎの原稿などを送りたいときなどはとても便利です。特に日本行きのEMSはダラスから直接日本行きのフライトに乗るので非常に早くつきます。(日本からは必ずサンフランシスコを経由するのですこし遅くなります。)
 すっかりダラスは冬の入り口にと差し掛かり、家の前の木々も色付いてきました。今日はすこし雨交じりなので、この前お勧めのあった、ダウンタウンのDallas World Aquariumに行ってきました。確かにここは穴場ですが、他に日本人の家族を見かけました。
 さらに、かねてから気になっていた路面電車の路線を確認してきました。ダラスもいろいろとダウンタウンの観光に力を入れつつあるみたいですが、一箇所にまとまっていないためにイマイチぱっとしません。このあたりのことについては「ダラス観光ガイド」のページにアップします。
 といっていたらまたドナーのオペで今晩はヒューストンです。なんか今週はテキサス中あちらこちらに手術に行っています。
「ダラス観光ガイド」「電話と郵便」を更新しました。

10月26日 冬時間
   明日も朝から、移植です。また、フォートワースで移植なのでドライブです。最近は年中移動してばっかりです。ただ、明日から冬時間なので1時間得をします。幕張先生は、夏時間冬時間のことを知らないと思ったのか、わざわざ教えてくれました。
 最近はサインが読みにくいせいか、全員「ハンコ」を持たされて、サインの代わりに、はんこを押すようになっています。カルテの字が読めないというのは万国共通の悩みのようです。
 うちの病院ではこおろぎが夏の間は大量発生をするのですが、今日オフィスに上がるときに、エレベーターで看護婦さんと乗り合わせたら、エレベーターから降りるなり「あらこんなところにこおろぎが」といって、いきなり踏み潰していました。んーん怖いな。
 尾中先生は今日はうちのアパートへの引越の日です。今日と明日と休暇をとって、ユーホールでレンタカーを借りて引越です。今週は研修医も休みを取っていて、伴先生と週末は2人しかいません。

10月25日 暖炉の季節
 
 そんなわけで今日は朝4時には手術室です。今週は手術以外の仕事は何にも出来ません。外科医冥利に尽きるといえばそれまでですが、やっぱり眠いです。「今日はどうだい?」と他科の医師に聞かれて、「チョッと忙しい」と答えると、誰もが「それはいいことだと答えます。まあ、そんなものでしょうか。
 最近は10度以下まで下がります。今週からうちも暖炉に火が入りました。ダラスは、春や秋がなくていきなり季節が変わります。

加藤望氏報告(術後27日目)
 B型肝炎の再発予防のためのγグロブリンの点滴のための入院です。最初のうちはある程度頻回にγグロブリンの点滴をする必要があります。

10月24日 busy, busy
   昨日は当直だったため散々呼ばれて寝ることが出来なかったのに、今日は朝から西テキサスまでのフライトです。最近は忙しすぎます。首里先生とダラス・フォートワース空港からのフライトだったのですが、彼は彼女が来ているために僕の車で空港まで乗り付けました。彼は大の日本車党(今はカムリでいつかはレクサス)なのですが、僕のトーラスに乗ってすこしはフォードにも目覚めた見たいです。途中で彼のお気に入りのマックを仕入れた後、ジェットで一時間ほどのフライトです。
 到着地の西テキサスは雪交じりの雨が降っているくらいでしたが、首里先生は半そでのOP着しか持っていないので凍えそうです。フライトのときは真夏でも上着を持っていくのは基本中の基本です。結局彼は帰りは手術ガウンを持って帰っていました。
 肝臓をダラスまで持ち帰ったら、そのままフォートワースで移植の手術です。今週はあちらこちらの病院で手術です。PSCの患者さんだったためRoux en Y脚を幕張先生と2人で作ったのですが、小腸吻合のやり方などがすこし違うところなどは興味深かったです。アメリカの一般消化器外科だと両端の支持糸を置くよりも、胆管吻合のように接した面からC字型に連続で縫っていく施設が多いらしいです。このように知っている外科手技は、直接比較できるので興味深いですね。
 移植外科に来てから腸肝吻合などは1年ぶりですが、一応フェローは一般消化器外科の手技は全部できることが前提になっているようです。
 結局手術が終わったのは23時で、それからダラスに向かったのですが、帰る途中に尾中先生からのポケベルです。
「明日4時から移植があるから」

10月23日 ミラクル
   今日は早朝からの移植に入る予定だったのですが、ドナーの都合で午後に変更になったので、昨晩の教授の招待講演に出席しました。これは外科のGround Roundの一部になっているのですが、毎年一回の移植外科の招待講演になっています。
 題名は「Saints and Transplant」という題名でしたが、宗教画のコレクションから美術史と宗教史を交えて移植と現代のミラクルについて語るという上品なものでした。こういう洗練された講演はなかなかお目にかかることはないですね。
「リンク」「レストラン」を更新しました。

10月22日 箸をこすりこすり
 
 飲んだくれの呟きです。今日は外来の患者さんが多いい上、一人でこなさないといけないので、かなりしんどかったです。外来だと、ひたすら話し続けなければいけないので。日本と違って、患者さんが待っていて医師がその部屋に入っていくので、患者さんの入れ替えの待ち時間というものがありません。
 さて、夜は西海岸からとある女性の移植外科の教授の歓迎会というのが催されました。場所はAbacusというレストランです。7時半だということでレストランに行ったら、教授とうちのボスがさしで飲んでいます。そんなところに入ってしまってまいったな。とりあえずWild Turkeyを頼みます。そうやって二人で最近の移植業界の動向や、途中で同僚の幕張先生が着たら、その就職の話とかをしています。こういうところで今後の道筋が語られるのですね。結局、になオペがあったり皆手術があったりなんだりで、結局6人でのお食事会ということになりました。
 ここのレストラン、なにかと思えば、最初に寿司タワーなるものが出てきて、皆に箸が使われます。おもむろに西海岸の教授割り箸を割って、橋をこすりだします。きっと、日本人の誰かが教えたに違いません。でも、うちのボスをはじめ皆上手に箸を使ってお刺身やお寿司を食べます。うーん、ここら辺の世界の人は違うな。
 そのあと、料理は別々に頼むようにメニューが各人に配られます。こういうのは参るな。チョッと遠慮して、アペタイザーを頼まなかったら、ウエイターに「本当か?」ときかれ、そのあと、結局僕しか頼まなかった人がいなかったので、西海岸の教授からも「Takiは本当に頼まなかったのか?」といわれ、一人パンを食べていました。こういう見知らぬ場で、自分で頼むというのは困るな。結局、お食事会は11時ころに終わりました。その前に尾中先生から「明日の朝の手術には行ってもらうから、早く来てね。」という。ポケベルつきです。
 最後に、下っ端たちはバレットパーキングではなくて、通りの向かいの通りの向かいの無料の駐車場に止めていたのが印象的です。

加藤望氏報告(術後24日目)
 今日は外来の一日目です。今のところ術後経過は良好です。術後2ヶ月目まではこうして週2回の外来に来ていただきます。

10月21日 スクランブル
   今日も4時に電話がかかってきて、40分後にLove Field空港に集合です。もうチョッと早く連絡をしてほしいな。そんなわけで今日もスクランブル発進です。行き先もわからないまま、ビーチクラフト機と、救急車に揺られてついた先は、軍服を着た人たちばかりいる病院です。そういえば、途中で検問があったかもしれません。今日のドナーの手術はサンアントニオの空軍基地内の病院でした。ドナーになってくれた子は4歳のお子さんです。アメリカでは子どももドナーになれるのです。
 ダラスへ戻ると今度はChildren's Hospitalです。うちのプログラムでは子どもの症例は小児病院で行います。帰りの飛行機でまた、朝食を頼んでいたのですが、この前のパンケーキがまずくて参ったのか堂尊先生「今日はいい朝食を買ってきてくれたかい?」と聞いたら、気の弱そうなパイロットは「僕はおいしいと思うのだけど。」と自信なさそうに答えてました。彼の選んだクロワッサンに卵とベーコンがはさんであるサンドイッチは確かにおいしかったです。
 小児病院では1歳半の症例です。子どもの症例は始めてです。最初は鈎引きに入るのかと思ったら、小児外科医は一人しかいません。前立ちとして子どもの肝移植です。しかも、ドナーの肝臓が大きいので、肝切付きです。でがけに病院によってルーペを取って着てよかった。
 手術そのものは大人とそれほど違うわけではなかったので、5時間程度でつつがなく終わりました。この患者さんももともとは葛西手術を受けた患者さんです。日本人の名前が術式としてこれほど普及しているものも他にはないでしょう。
 手術中、麻酔科の先生は、しきりにLovers Ln.にあるラーメン屋?の「Liverty Noodle」をしきりに勧めます。そんなにおいしいでしょうかね。知っている人がいたら教えてください。
 ここでは術後は外科が見るのではなくてNICUのフェローが見てくれます。そんなわけで手術が終わったら11時過ぎに帰途に付きました。でも帰りかけに駐車場代に5ドル取られます。秘書に小児病院のIDを作ってもらうように頼んでいるのですが、秘書が変わってからなかなか仕事をしてくれません。(ちなみに僕の秘書ではないです。)秘書が出来るかどうかというのも重要です。

10月20日 日本人がいっぱい
   今日は前日までの雨が上がり、幸いなことに手術もなかったため、ダラス日本人研究者の会のBBQ大会に何とか駆けつけることが出来ました。朝から病棟の看護婦さんに「今日はBBQ大会があるから」と言っておいたら、「今日は早く帰れ。」と行ってくれたので、回診が終わったら草々に尾中先生に後を頼んでIvingへ向かいました。
 BBQ会は予定通りIvingのCimarron Recreation Centerにて催されました。ダラスに来てからはじめてこんなに沢山の日本人を見ましたね。UT/SWの研究室だと日本人が4人いて日本語ばかりのこともあるそうです。うらやましい限りです。新規作成ページの「ダラス日本人研究者の会(UT/SW et al. 日本人バーベキュー会)」以下にそのときの写真を掲示いたします。写真が入用な方は直接管理人までメールをください。フルサイズのファイルをお送りします。
「ダラス日本人研究者の会」を追加しました。

10月19日 あまもり
   明日はUT/SW他、ダラス日本人研究者の会のバーベキュー会があります。今のところは晴れそうです。後は手術が入らないようにお祈りするだけです。
 さて、今朝は、駐車場に車を止めようとしたところ、直前に駐車した尾中先生がわざわざ戻ってきて「いいもの見せてあげる。」と行って、彼の車につれて言ってくれました。中は水溜りが出来ています。昨日は大雨だったので、1990年式のoldsmobileサンルーフからひどい雨漏りだったようです。うちのアパートに引っ越してきたらガレージが着いているので尾中先生よかったね。
 尾中先生、最近突然万年筆を使い出しました。万年筆を使っている先生は多いのですが、突然使い出すなんてチョッとおかしいなと思ったら「Valcyte」の文字が、やっぱり、薬屋さんの万年筆です。
 またまた尾中先生、僕が論文の原稿をこちらでよく使われている紙のファイルに入れておいたら「それどこにあったの?」「Office Max」で買ってきたんだ。「おお、上野!倉庫に文房具がたくさんあるじゃないか!」と行って、Office の倉庫を案内してくれました。尾中先生はこういうことに関しては詳しいのです。
 今週末はすこし株価が持ち直しましたが、年金の多くを株式で運用しているアメリカ人にとっては、株価は重要な関心ごとです。病棟でRespiratory Therapistのおじいさんが、端末で株価を一生懸命見ています。患者さんのデータを見るために割り込んでしまいましたがごめんなさいね。
 今日は来年のBenefit(福利厚生)の説明会がありました。私達は強制参加になっています。アメリカの場合は健康保険が複雑なので、またあとで質問されるのが嫌なのでしょう。解説の要点は新しく導入されたCDP(Consumer-Driven Program)の解説です。これはいちいち自己負担額を病院で払うのではなくて、上限額までは自己負担無しという制度です。うちの病院も医療費がかさんで、他にも実質上の保険の値上がりが説明されました。
 マイクロソフトからリベートの返事が来たのですが、箱についていたステッカーがないとのこと、そんな一ヶ月も前の箱なんて取っていません。まったく腹が立ちます。

10月18日 おじさんもクリエが好き
 
 UT/SWから来ていた学生は今日で終わりです。入れ替わり立ち代り、レジデントや学生が来るのですが、いつも終わりはあっさりしています。彼には朝の診察とカルテ書き、手術に入ってもらったりと、日本の学生に比べたらずいぶんいろいろなことをしてもらいました。指示が出せないことを除けば、レジデントみたいなものです。日本の学生もこれくらいのことが出来たら、ポリクリももっと楽しいことでしょう。ただ、彼がこの4週間を満足してもらえたかが気になります。
 4かいで乗ったエレベーターでかなり年の内科の先生が折りたたみのクリエ(カメラ付)を持っていたので、声をかけてみたら、一生懸命どんなにクリエがすばらしいかを14階に上がるまでの間説明してくれました。こんな年の人たちでもクリエを使いこなしているところがすごいです。折りたたみのクリエは、かなり人気があります。
 さて以前お話しましたが、論文や学会発表のためのプロジェクトを行うにはIRB(Institutional Revie Board for Human Protection)というところの許可を得なければいけません。このあたりは形だけかもしれませんがしっかりしているのです。来週までに2つぐらいは追加でプロジェクトの書類を書かないといけません。

加藤望氏報告(術後20日目)
 OKT-3の10日間の投与が終わり、肝生検を行ったところ、結果は晴れて拒絶が治癒していました。これであとは週二回の外来のみとなります。

10月17日 朝のドライブ
   今日は朝10時からフォートワースで腎移植で移植がある予定なので、フォートワースまで1時間のドライブです。最近はダラスもすっかり涼しくなったので気持ちのよいドライブです(眠くなければ)。昨日アライメントを調整していたので、直進性は抜群です。アライメント調整は安いので、直進性に問題があるかたら、是非することをお勧めします。昼に輪読会のプレゼンテーションがあってスライドを用意していたのですが、これだと無駄になってしまいました。
 フォートワースにはナースプラクティショナー(研修医並みのことが出来る看護婦)がいるので、腎移植の患者のH&Pはとっておいてくれます。
 ところがついたところ手術時間が午後3時に変更になったとのこと、また、ダラスまで逆戻りです。そうなるとやっぱりプレゼンをしなければなりません。ある程度スライドを作っておいてよかった。
 帰ると、尾中先生が「フォートワースには研修医を行かせるから、お昼の腎移植に入ってくれない。」 尾中先生は軍隊にいっていたからか、人の管理にはすごく気を使うのです。僕がおととい朝まで手術で昨日も明日も当直なので、今日を温存をしておこうということでしょう。
 研修医や、学生の満足も考えないといけないから大変です。
「はじめに」が更新されています。管理人宛のメールに対する注意事項が追加されています。

10月16日 バイオ懐炉
   昨日はCall Roomで2時間ほど仮眠を取ったのですが、前にも行ったとおり寒いのです。そこで、VAIOに働かせて、それを抱えて回路代わりにしました。PentiumV 850MHzは結構暖かいです。皆さんもお試しあれ。
 ハローウィンは医者も仮装をしないといけないようです。うちの病棟では、ミュージカルのグリースを題材にしてするそうです。僕は知らなかったので、婦長さんからは「一番いいミュージカルなんだから、今度ビデオを貸すから」といわれてしまいました。
 首里先生、今朝の手術のあとにも相変わらず新しいVisorに彼女の写真を入れて、見せびらかしていたのですが、たまたま手術室のラウンジで見た www.stupidvidos.comというHPを教えてあげたら、朝4時に手術室から出てきて患者さんをICUに運んだばっかりだというのにICUのコンピューターにかじりついてすごく喜んでいます。ちなみに、昨日の新着一位はタケダのアリナミンVの宣伝です。とても日本人が作った宣伝とは思えません。
 昨日の車検の報告ですが、車検は1日ですみます。料金は
車検: 39ドル
エンジンサービスの警告がついたため
 エンジンコンピューター解析:89ドル
その結果
 燃料フィルター交換:79ドル
ブレーキ系統の異音対策で
 ブレーキフルード交換:79ドル
車がまっすぐに進まないため
 アライメント調節:59ドル
パンク修理で
 パンク修理:12ドル
定期交換として
 オイル交換:14ドル
 エアーフィルター交換:12ドル
「自動車」を更新しました。 

10月15日 ディーラーが一番信用できない。
   今手術が終わって、書いています。朝の4時になってしまった。肝腎同時移植は時間がかかる上に、始まったのが遅かったので。この時間だと、レントゲンと血液検査が出るのを待っているとそのまま朝の回診になってしまいます。
 さて、研修医の民君はお昼まで働いた後、午後の飛行機で去っていってしまいました。みんな慣れた頃にいなくなってしまいます。
 昨日の車検の車を手術前に引き取りに行ったのですが、思ったよりも安く上がりました。車検そのものは39ドルです。前から、ディラーにおかしいといっていた、前輪の異音も、グリースアップをしてもらってすっかりよくなりました。ディーラーに「デスクのシリンダーのもどりが悪いんじゃないか?」と言っても直してくれなかったのに、Firestoneはなかなか信頼がおけます。詳細は自動車の項に書きますが、もう眠いので寝ます。

10月14日 2003年6月問題
   ECFMGの情報ですが2003年6月問題に対応するために、当プログラムではACGMEのAccreditedを取得する方向に動いているようです。Transplant のようなプログラムは外国人の労働力がなければ、成り立っていかないですからね。
 今日、今週の木曜日のカンファのお題が出されました。「肺高血圧」です。大ボスから栄養士まで30人以上の前でレクチャーをしなければいけません。とりあえず、日本語パワーポイントの出番です。しかしどうやってしゃべれというのかな?
 昨日、今まで日勤だった看護婦さんが夜勤に移ったので理由を聞いたら、夜勤のほうが「8ドル時給が高いからね。」といっていたら、今日、キャデラックのカタログを持ってきて「これ買ったんだと。」いっています。アメリカで24歳でキャデラックを買うなんてかなり珍しいです。
 今月はFord Taurusは車検になります。車検報告についてはまた「自動車」の項にてお知らせします。

10月13日 Starting !
 
 今日は朝から肝移植があったのですが、堂尊先生は僕に肝動脈、門脈縫合以外の大部分の術者をさせてくれました。彼は前立ちをしていても誘導がうまいのでそれでも手術時間は5時間以下でした。若い者にとっては手術をさせてくれる先生がいい先生なので、Fellowの間でも、彼がいい先生だというのは評判です。(注: もちろん指導医の監視のもので行っているので、僕が手術をしたからといって予後が変わることはないです。)
 彼とは手術室に行く前に話しをしたのですが、エンジニアとして平塚に何年かいたことがあったそうです。すき焼きがとってもおいしかったのが印象に残っているそうです。彼はすき焼きの発音が日本人と同じように出来ることを自慢していました。
 さて、そろそろ年賀状の準備ということになるのですが、困ったことにアメリカだとインクジェット用のはがきというのが日本ほど充実していません。わざわざ日本から取り寄せるのも馬鹿くさいのでどうしたものでしょうか。
「手術用語」を追加しました。「ダラス観光」を更新しました。

加藤望氏報告(術後15日目)
 今日は朝病棟でOKT-3の点滴をする予定です。私は、ずっと手術室にいたのでお会いすることが出来ませんでした。

10月12日 State Fair
 
 珍しく手術のない土曜日なので、午後はステートフェアーにいってきました。Fair Parkが会場となっています。最初は車で行く予定だったのですが、丁度Cotton BowlでNCAAのテキサス対オクラホマの試合をやっているらしく、その混雑たるやすごいものでした、とても車を止めるところを見つけられそうにもないので、病院に止めてそこからタクシーでいってきました。
 State Fairは巨大な縁日で、僕も知らなかったのですが一番印象に残ったのはモーターショーのベンツのブースにいたギリシャ彫刻のパントマイムでしょうか。
 帰り際にはFarmers Parkにもよってきましたので、その紹介もFair Parkとあわせて行います。
 夕食はかねてから日本食に行きたがっていた民君を寿司矢間に連れて行きました。彼は12歳のときに移民してきて大学を卒業したあと、日系企業に2年ほど勤めたあと医学部に行ったそうです。彼は、納豆も食べられるくらい日本食通でしたが、丼物が好きなあたりはまだまだです。

加藤望氏報告(術後14日目)
 一応発熱などの副作用も落ち着いてきたようなので、今日で退院ということになりました。長い間お疲れ様でした。しばらくは通院にてOKT-3の点滴ということになります。

10月11日 足元に注意
 
 今日は職員と患者さんにホットドックを配る会のような物が玄関で開かれていて、午前の回診が終わったあとに玄関前までいって、ホットドックをもらってきました。年に何回かこういうイベントがあるのですが、イマイチその意図はわかりません。
 ただ、尾中先生はその中に立てかけてあった、看板を見て「上野写真をとってくれ。」といって取らされたのが下の写真です。これがとってもうけたらしくて、あっちこっちに見せて歩いていました。
 今日は朝から晩まで手術でしたが、夜10時ころICUに患者さんを送って、時間を見計らって論文のことで前の病院の病棟に電話をしてみました。やっぱり、日本の病院は懐かしいですね。横で、ICUの看護婦さんが、せっついてくるので指示を出せということだと思って電話を切ったら、「このフリーマーケットで買った置物のいはなんと読むのか?」というのを聞きたいということでした。山川というサインが彫ってあったのですが、本当に日本のものかな?

加藤望氏報告(術後13日目)
 今日はOKT-3の3日目です。さらに副作用が強く出ているようです。今晩の調子がよいようなら明日退院ということになるでしょう。今度は予定通り退院となるといいですね。

10月10日 ドベーキーの白衣掛
 
 昨日は結局HoustonのMedical CenterのMethodist Hp.でのHervestでした。いつもよりも、いいジェット機で50分のHobby空港です。このあたりは春に大曲邸によらせていただいたとき以来です。Methodist HpといったらDeBakeyのHeart Centerがあるところです。うわさには聞いていましたが、ありましたDeBakeyの白衣掛が(左写真)、DeBakeyの病院で手術が出来てすこし幸せです。
 あいにく肝臓はすでに肝硬変に近いものだったので、摘出をせずそのまま帰途に着きました。途中、同じ患者さんのコロラド大学の肺チームとすれ違いましたがなんとその中に日本人の医師がいました。日本人かなと思って声をかけたらネームプレート(い○○氏)を示して、日本語で答えていました。こんなところで日本人に逢うなんて、うれしいですね。
 でもこのように、摘出できなかった患者さんの場合はどこもHervestの費用を支払ってくれないそうです。ジェット機まで飛ばしているので膨大なコストがかかっているのに。C型肝炎だということがわかっているので、Houstonで肝生検ぐらいやってくれたらいいのに。
 移植の患者さんは一般的にはUNOSという団体によって患者さんの順位に従って、臓器が回ってくるのですがDirect Donationという仕組みもあるそうです。
 最近あった移植の患者さんでミズーリー州まで肝臓をとりに行った患者さんがいたのですが、それは、患者さんのお嬢さんの学校の先生のボーイフレンドの息子さんがガールフレンド2人とドライブをしているときに事故にあい、2人は即死、、脳死状態になった彼の肝臓を患者さんが肝硬変だということがわかっていたので送られたそうです。このようなこともあるのです。

加藤望氏報告(術後12日目)
 今日はOKT-3の2日目です。昨晩少々発熱が見られたようですが、それ以外はいたって順調です。発熱などの副作用はOKT-3が聞いている証拠ということで、すこし我慢してもらいましょう。相変わらずおなかがすくのが目下のところ一番の主訴です。

10月9日 パンケーキかな?
   最近忙しいです。悪いウイルスでもはやってるのでしょうか。今日は朝から移植のあと、今から(夜8時)空港です。そんなわけで続きはまた明日。

 おまけ。今日向かいのリハビリ病院に患者の診察に行ったら、検査値の中にCRPを発見しました。移植外科ではこの検査をまったくしないので、炎症を図るのに白血球数しか使えなかったのですが、ちゃんとアメリカでもCRPという検査はあったのですね。チョッと懐かしかった。

加藤望氏報告(術後11日目)
 今日はOKT-3の初日ですが、今のところ副作用は出ていないようです。あと4日間は入院です。

10月8日 パンケーキ
   昨日はホームページなんか作っていたら、夜1時に空港でオクラホマまでのフライトということになってしました。ジェット機かと思ったらまたビーチクラフトです。ビーチクラフトのなにがいけないかといったら、どうしても操縦席に座りたくなってしまうので機内で十分眠ることが出来ないことです。
 オクラホマに着いたら真っ白なリムジンでお出迎えです。さっそく摘出してダラスに戻ります。今回の手術は医学生を連れて行ったのですが、なかなか彼に満足するように手術をしてもらうというのは難しいものです。
 さて、今回もパイロットに朝食を頼んだのですが、買ってきてくれたのがなんとワットバーガーのパンケーキです。ノースウエストの機内食のパンケーキと同じくらいまずいのでとても食べられません。
 今回の肝臓はせっかくオクラホマから運んできたのですが、脂肪性肝炎ということで残念ながら移植をすることが出来ませんでした。

加藤望氏報告(術後10日目)
 加藤氏はきょう退院予定だったのですが、残念ながら肝生検の結果まだ拒絶反応が残っているということで、追加の治療を行うことになりました。そのため入院期間は5日間ほどさらに延びることになります。
 追加の治療はOKT-3という、拒絶反応に関与するリンパ球を不活化する抗体を注射することになります。最初の5日間は発熱などの副作用が予測されるので入院のまま点滴を行いますが、残りの5日間は外来にて点滴を行う予定です。
 ただもちろん拒絶反応は症状が出るよりも早い段階で処置を行っているので、加藤氏の見かけはいたって元気ですので御安心ください。
 加藤氏の手術の写真については「加藤氏手術報告」のページにて公開しています。

10月7日 お化けがいっぱい
 
 久しぶりに病棟に戻ると入り口から骸骨が吊ってあります。いつのまにかに、ハローウィンの飾りつけがしてありました。病棟の中に骸骨が吊ってあるなんて,日本じゃチョッと考えられないですね。病棟中お化けがいっぱいです。
 尾中先生の引越の理由ですが、どうも隣人というのは隣のアパートのことらしいのです。尾中先生の住んでいる地区はそれほど治安がよくなく、特に隣のアパートは働いていないような人も住んでいるらしいのです。大人だけならそんなに問題にはならないのですが、隣の柄の悪い子ども達が入ってきて子供同士で喧嘩をするらしいです。「隣のアパートを過小評価していた。」ともらしていました。尾中先生は今月末に隣のビルに引っ越してきます。
 今週末はまた忙しかったらしく(僕が休みだと忙しい。)、仕事に漏れがあったらしくて、Directorよりお小言がある予定でした。ところがDirectorはドナーの手術にいってしまったので、そこで首里先生が「ちょっと話しがあると」我々を集めて病棟でミーティングということになりました。用は、細かい指示漏れがあったという事なのですが、毎月のように細かいことでのミーティングがあるので、何かと不満の多い伴君は「人間だから100%はできないよ。僕はベストを尽くして95%やっているんだ。その5%を埋めるのがアテンディングの役目だろ。」と散々ほえていました。「これ以上やれというなら外科医には向かないと引導を渡してくれ。」という調子でした。まあ、こっちは目と耳と口をふさがれて仕事をしているようなもんだからね。
 一ヶ月ほど前に申請していたITINが郵送にて送られてきました。詳しくはSSNの項にて
「加藤氏手術報告」を追加しました。「Social Security」を更新しました。

加藤望氏報告(術後9日目)
メルセデス
 久しぶりに加藤氏にお会いしましたが経過は順調です。明日、肝生検の結果がよければ退院ということになります。もし、まだ拒絶が残っていることになったら、もうしばらく入院をしていただいて別の薬を点滴してもらうことになります。
 加藤氏の傷跡には年齢と同じ43個のステープルがあります。これを打ったときはそこまで考えていなかったんですけどね。

 

10月6日 君パスポートを出しなさい2
   今日はエルパソからI-10東に向かって帰るとまた検問が、今度はインターステート上だ。
「君は市民か。」
「いいえ、日本人です。」
「パスポートは、どうしてもっていないんだね。」
「そんなものはいつも持っていません。」
昨日と同じ会話が続く
「免許証ならありますが」
「われわれはそんなものには関心ないんだ。今度からパスポートを携行するように。」 
と免許証を見ることもなく釈放となりました。なんだったんだろう?
いずれにせよ旅行をする際はパスポートを持ち歩いた方がいいかもしれません。
「アメリカドライブ」を更新しました。

10月5日 君パスポートを出しなさい
   このシーズンはダラスのステートフェアーも、テイラーのバラもシーズンなのですがどうしてもと浮くまで来てしまいます。一泊旅行としてはほぼ限界ですが、ダラスから740マイル、11時間走って、ニューメキシコのホワイトサンド砂丘まで来ました。もうビジターセンターが目の前というところで、国境警備隊の検問が、
「君は市民か。」
「いいえ、日本人です。」
「パスポートは、どうしてもっていないんだね。」
「そんなものはいつも持っていません。」 
係官、僕の名前をINSに調べに行く。
「君の入国記録がコンピューターにないよ。」
「それじゃーソシャルセキュリティーが発行されないでしょ。この番号で調べて。」係官また調べてくると、
「君の名前と生年月日が6名登録されていて、オーバーステイなんだが、まあともかく今度からパスポートは携行するように。」
「。。。。」とても空港でもぎったI-94の半券がちゃんと処理されているとは思えないですね。
 帰りに、久しぶりに流れ星を見ました。学生時代は山に登ってよく星を見ましたが最近はあんまりですね。願い事がかないますようにと。

10月4日 明日はお休み
   今月もなんだかんだいって休みを取ることが出来なかったので、今週末だけ休みを取りました。年3週間の休みの権利があると言っても、なんだかんだいって取るのは難しいものです。最初はニューオリンズにいこうかと思っていたのですが、台風が来た直後で天気が悪いようなのでニューメキシコにしようかと思っています。またその報告は後ほど。

加藤望氏報告(術後6日目)
 昨日から通称リサイクリングと呼ばれている、拒絶反応の治療であるステロイドの投与が始まっています。とは言っても点滴をするだけなので、加藤氏本人は至って元気な様子です。肝酵素の値も順調に低下しています。術中写真の公開の許可をもらったので近日中に公開致します。

10月3日 君がボスなんだから
   今日は昼休みにM&Mカンファがあったのですが、堂尊先生「カンファをまとめてディクテイト」してといってきます。症例をごとに質疑応答をまとめてくれればいいからと言っても、内容を聞き取るだけでも大変なのがわかっているのかな?
 最近は尾中先生も、あんまりレジデントたちのことをかまってくれないので「君がボスなんだから、レジデントと研修医を指導して仕事をやらせなければ、いけないじゃないかとおこられます。」なかなか、レジデントを指導するというのは難しいんですよ。
 さて、尾中先生は今のアパートの隣人の質が悪いらしく本当に、今月引っ越してくるそうです。そうすると首里先生とオペ室の看護婦さんと一緒のアパートになるので、あと麻酔科がいれば、ここで手術が出来ますね。

加藤望氏報告(術後5日目)
 
まだしばらくいます
今日はビリルビンと胆管系酵素の値が上がっていたので、肝生検を行いました。肝の保存による障害かと考えていたのですが、生検の結果は「弱い急性拒絶」でした。そのため、退院は来週まで延期となって、ステロイドの点滴をしばらくしていただくことになります。急性拒絶反応は最終的には6割近い患者さんが、かかる正常な免疫反応なのでそんなに心配することはありません。
 最終的な退院は10月8日の肝生検の結果を見てからとなります。

10月2日 命の値段
   命がほしいと思って、医学はここまで進歩してきました。お金さえ出せば命がかえるのではないかと思うまでになっても、なかなか手に入らないものです。

加藤望氏報告(術後4日目)
明日は退院です
 昨晩、少々熱が出て胸のレントゲンを撮ったところ、右の胸にいくらかの胸水がたまっているようです。肝臓の手術後にはよく見られるものなので、利尿薬をすこし飲んでいただくことにしました。
 明日からだのむくみが取れたら、予定どおり退院ということになります。ただ、術後5-7目は拒絶反応が出やすい時期でもあるので、明日の検査結果を見てからということになります。

10月1日 同居人
   ホームページ開設から5ヶ月がたち、ヒット数も12000を超えるようになりました。これもひとえに読んでいただいている皆さんのおかげです。皆さんありがとうございます。
 さて、今日から新しくまた一人増えました。レジデントが2人と医学生が一人なのですっかり大所帯です。今度新しくうちの病院から来たレジデントはおとなしそうです。やっぱり、若い人が沢山いるというのはいいですね。
 さて、尾中先生は本当にうちのアパートに引っ越してくるようです。今のアパートの治安が悪いのと、Flatだと子どもが騒いで勉強できないのでTown Houseに引越たいそうです。まったく同じ建物の中になるので、そのうちおなか先生と一緒にイヌの散歩をするようになるかもしれません。大学時代も同級生と4年間一緒に暮らしていましたが、また、同僚と同居になるのかな。
 夜にアパートの近くの香港レストランで中華料理をテイクアウトしてきたのですが、これがホンとのアメリカン中華料理で非常にまずかったです。この前の、治安の悪い中華料理屋のほうがよっぽどおいしかったです。
「What's New」を更新しました。

加藤望氏報告(術後3日目)
 今日も朝から調子がよく、血液検査も順調に肝機能が回復しています。食事も
病院の通常食
普通の食事に上げました。病棟内も何周か歩いてもらえたようです。この様子ですとあさってには退院して、病院の近くのTwice Blessed Placeに移ることができそうです。そのため、コーディネータの人に退院指導をはじめてもらうようにしました。
 午後には待望のお通じもありましたので、お腹の具合もよいようです。夕方にはお子さん達もいらっしゃて、楽しめたことと思います。
 ちなみに、加藤氏にかかわらず患者さんの経過は、手術の模式図から薬や検査結果などすべて一枚の紙に記しています。私達は壁紙と読んでいるのですが、移植後の経過がすべて記載されているので、外来や、再入院のときでも患者さんの経過がすべて把握できて非常に便利なのです。

9月30日 クレジットライン
   医学生が朝からクリエを無くしたといって大騒ぎです。そりゃパソコンが買えるくらいの値段だから当然ですね。しかも、研修医の当直室に置いてきたというのだから取られても文句は言えないですね。まあかわいそうだけど、伴先生なんかは「お金持ちだから大丈夫だろ」と言っている始末です。やっぱり医学生でクリエを持っているというのは相当なお金持ちです。そんなクリエも10月3日には新製品が発表されるようですね。今度も、かなり心が動かされる製品です。
 尾中先生はアパートの引越を考えているようです。ビザの延長が成功したのでしょうか。しかも引越先は僕のアパートです。確かに環境はいいですが。尾中先生はいつも自転車でWhite Rock Lakeを走るときに、うちの裏を通るのでしょう。(「イヌを連れて」の項参照)これで尾中先生が引っ越してきたら、首里先生と手術室の看護婦と4人が住むことになります。
 さて、今日はテキサス医師会のクレジットカードが来ました。これはクレジットラインが$10000になっています。自分のクレジットラインがどれだけあるか、つまり経済的信用がどれだけあるかというのを確かめるためにクレジットカードを申し込んでしまいます。最初アメリカに来たときに、クレジットヒストリーがなくてつらい思いをしたことが、今でも尾を引いています。でも調子に乗ってあまりクレジットカードを作ると、後で解約するのが大変です。
 日本時間は10月1日だというのに今晩もひたすらデータの打ち込みです。明日はOnCallです。今年もこんな形で過ぎていくのですね。
「アパート」「その他のリンク」を更新しました。

加藤望氏報告(術後2日目)
 今日は朝から加藤氏は調子がよさそうです。お腹も動いているのでマーゲンゾ
初めての朝食
ンテをクランプして、流動食を食べていただくことにしました。流動食と言っても日本みたいにおかゆのようなものはないので、ゼリーやジュースです。持続点滴も今日で終わりです。 血液検査の結果も多少貧血が見られることを除けば、肝酵素の値も順調に下がっています。
夕方もう管はない

 今日は歩いていただいて、お腹の動きをよくして頂く事にしました。そのためには導尿カテも取ります。なかなかガスは出られないようなので、マーゲンゾンデも抜くのはしばらく待っていたのですが、お昼過ぎには栄養チューブとあわせていわゆるところの自己(事故)抜去をしていただきました。看護婦さんの手を煩わせないための御配慮でしょう。こうなるとしっかり食べていただかないといけません。
 午後の回診時にはすっかりすっきりした顔で、椅子に座ることが出来るようになりました。インターナショナルサービスの方も来られて、加藤さんの回復状況には驚いているようです。

9月29日 State Fair
   ダラスをはじめテキサスでは9月27日から10月20日までState Fairが催されます。ダラスではFair Parkがメイン会場になるようです。また、行くことが出来たら御報告します。 UT/SWから来ている医学生は今日は来ると言っていたのですが、今日はきませんでしたね、昨日は結婚式だと言って飲みすぎたのでしょうか。
 さて、最近は諸事情により日本食に凝っています。今日は日曜日なのですが、日曜日は閉まっている日本食レストランがおおい。開いているところから片っ端に電話をすると、「甚平」ここはバイトのお姉ちゃんが出てきて、FAXでメニューを送ると言っても送って来ません。再度電話をしてもいい加減な対応です。ここはやめにして次は「淡路」と「ナカモト」ここは店員が日本人じゃないな。最後は「一心」、ここは店員が日本人だ。メニューをファックスで送ってもらってお寿司セットを注文します。
 さて、はるばるとりに行くと店員は日本人の女の子。ダラスの日本食屋にはいかにも留学生という日本人の子が見かけられますが、みんなどこに生息しているのでしょうか。家に帰ってみるとこれがまた注文と違う、以下にもアメリカ人が頼んだようなRollの詰め合わせです。マックならいつも注文内容を確認するのですが、日本食屋だと思って油断しました。
 怒り狂って電話をすると(アメリカで生活するには怒り狂って電話をするのが必要でまた日常です。)、件の女の子が出てきて「バイトじゃしょうがないからマネージャーを出せ。」(このフレーズもアメリカ生活では日常です。)、結局は次は無料にするという書類をファックスしてもらいました。最初アメリカに来たときはこういうやり取りがとても苦痛でしたが最近はすっかり慣れてしまいました。
「Main」「はじめに」「リンク」「レストラン」を更新しました。

加藤望氏報告(術後2日目)
 昨晩中の通常どうり覚醒して、今日の早朝には抜管を済ますことが出来ました
ICUにて
。今朝7時の診察時には他の患者さんと同様に回復されており、循環動態も安定していたためSwan-Ganzカテーテル、体外循環バイパス回路を抜去し通常のCV lineに交換しました。朝の採血では肝逸脱酵素が高値だったため、直ちにICUを出ることが出来ませんでしたが、超音波検査の結果肝動静脈、門脈とも異常は認められず、とお昼の採血で酵素が低下したため、午後には入院時の14階の一般病棟に移動いたしました。
 すでに普通にお話も出来ますし、お水も飲むことが出来ます。明日は、病棟内を歩いていただく予定です。

9月28日 加藤望氏の移植について
   このホームページは医師の守秘義務の観点から患者さんの個人情報は公開していませんでした。ただし、本日、肝移植をうけられた加藤望さんは御本人の希望により、しばらくの間現在の状況について、こちらで公表いたします。
 これは御本人が日本から沢山の方の支援で移植を受けたれているということ、出来る限り日本の方に現在の状況をお知らせしたいということ、また、アメリカでの移植ということを日本に御紹介したいということです。
 私をこのことを鑑み加藤望氏の現状について御紹介いたします。また内容に関しては加藤望氏のホームページhttp://www9.ocn.ne.jp/~nkisyoku/にも反映されるようになっています。

加藤望氏報告(手術当日)
 7月18日にダラスより当院に肝移植に来られていた加藤望氏は、1週間ほど前から移植の順位が1番でしたが、今日幸いにもドナーの方が現れて1時より当院にて手術を行いました。私も前立ちに入らさせていただきました。私にも朝に加
これから手術です
藤さんがPrep.(移植の準備患者)で入院してくるということをコーディネーターから連絡が来ました。午前9時ころに病棟に入院されたので、術前の診察にうかがいました。奥様とお子さんも御一緒にいらっしゃっていました。私も9ヶ月ぶりに日本語で診察することが出来ました。やっぱり日本語はいいですね。手術は午後1時より始まりました。予測されていた癒着はそれほどひどいものではなく、予定通り7時にはICUに入室いたしました。他の移植の患者さんと同じように、まだ麻酔が完全に覚めてはいないので、人工呼吸器につながったままです。予定どうりに行けば今晩中に人工呼吸器が外れて、明日は一般病棟に戻れる予定です。


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