このページは管理人が学生時代にUSMLE Step2を受験したときの情報を元に書かれています。そのため内容は医学生向けに書かれていたり、情報が古かったりしますが御了承ください。最近の試験情報に関してはリンクのページを参照にしてください。また、新しい情報をお持ちのかたはぜひお知らせいただきたいと思います。
1. 総論
USMLE Step2はおよそ、日本の医師国家試験に内容的には相当するものです。ですから、国試対策をしていれば、内容的にはかなり重なる部分があります。
そのため受験の時期が難しくなります。一番良いのは3月のStep2を受験すれば国試の勉強と重なって、もっとも高得点があげられると思います。しかし、どっちつかずになってしまう恐れもあるのでよっぽど国試に自信がないと受験しにくいでしょう。6年生の8月に受けた場合は、時間はあるのですがまだポリクリが終わっていないと言う問題がありますし、卒業後は試験弁挙をする時間が内科もしれないと言う問題があります。
試験の内容は、日本の国試が細かい内容や検査法など静的な知識を聞くのに比べて、Step2はまずこの患者にはどんな検査や、どんな治療がFirst choiceであるかというような動的な問題が多く出題されます。ですから、ポリクリや実習をどれだけやっているかが重要になるので、できるだけ実習がすんでから受験したいところです。
もちろん、問題集でもある程度の所までは行けるので、決して不可能な試験ではありません。
また、一般的なガイドブックにStep2は易しいとかかれているものもありますが、決してそんなことはありません。特に、学生にとっては内科から勉強しなければならないので、非常に負担が多いいのです。
Step1と同様に最初に模擬テストを行うことをおすすめします。模擬テスト集ですが、"Review for USMLE Step1 (Willam&Wilkins)"いわゆる青本か実際の試験形式に近いです。また、"Review for Step1(Appleton&Lange)"いわゆる黒本は、最初の各論の問題数が手頃でよくまとまっているので時間がない人にお勧めします。
2.各論
1.Internal Medicine
[傾向]
傾向は、ほとんど日本の国家試験と変わらないでしょう。知識的な面ではより易しいです。しかし、日本ではあんまり問われないfirst choiceについて聞かれるので、クエスチョンバンク丸暗記みたいな勉強方法では対応できません。
[対策]
対策はまず日本に国家試験の勉強から入った方が楽かもしれません。私は全くしなかったのですが、クエスチョンバンクくらいは行ってから勉強した方が楽だったと思います。
推薦書は"Medicine(NMS)","Internal Medicine(Pretest)","Clinical diagnosis(Pretest)"がお勧めです。これと、イヤーノートを組み合わせるのが、ベストでしょう。イヤーノートで対応できない部分は、チャート、チャートで対応できない部分はHarrisonという形でやっていくと、効率がいいです。
ともかく内科がすべての科目の基礎になりますから、気合いを入れてやりましょ。
2.Ob/Gyn
[傾向]
アメリカではPrimary Careを重要視しているのでかなり重要な科目になります。日本の国試以上に力を入れなければなりません。ただし、問題は決して難しくないので重要な得点源になります。
[対策]
これも先にアプローチ等で全体像をつかんだ方がいいでしょう。ただチャート等日本の参考書は全く当てにならないので、使わない方がましです。
問題集、参考書をかねたものとして"OB/Gyn(NMS)がお勧めです。まずこれを行った後に、"OB/GYN(Appleton&Lange)"の問題をこなすのが良いでしょう。
3.Pediatrics
[傾向]
これもほとんど日本の国試と同じです。これも、記憶しているだけで点数になるものが多いので確実に得点源にしたいところです。
[対策]
ほぼ日本の国試と同じです。大切なことは100%シリーズ等を使って、確実に数値や先天性の病気の症状を記憶することになります。これは日本の問題集でも良いくらいだと思いますが、推薦できる問題集は"Pediatrics(NMS)"や"Pediatrics(Appleton&Lange)"になります。
4.Preventive medicine & Public health
[傾向]
内容は公衆衛生と、統計学です。Step1であったBehavior Scienceの内容とほとんど同じです。公衆衛生は全くアメリカの内容で、医療制度なども出題されます。
[対策]
これは、独自にアメリカのものを勉強するしかありません。おすすめは、"Preventive medicine & Public health(PreTest)"をせこせこやることでしょう。やったら、やっただけ点数になります。
後は、日本の統計学の本をやるしかありません。日本とアメリカの違いがわかって、結構おもしろいです。
5.Psychiatry
[傾向]
アメリカではメジャーになるので結構試験の山です。DSM-4に基づいて出題されるので、チャートでやっても全く無駄です。出題量も多いので、アメリカの教科書できちんとやる必要があります。
[対策]
DSM-4に準拠した最も簡単な教科書は"Psychiatry(NMS)"でしょう。この解説はしっかりできているので、これを使うのがいいと思います。精神科は問題量も必要なので、"Psychiatry(Pretest)"の問題も解いた方がいいと思います。
6.Surgery
[傾向]
日本と違って、あまり術式等が聞かれることはありません。ほとんど、救急でまずなにをするか、検査としてはなにが一番安くて侵襲が少ないかなど、First Choice が聞かれることがほとんどです。この点イヤーノートなどにはFirst Choiceが載っていないので結構苦労しました。
[対策]
教科書としては"Surgery(NMS)"が使えると思います。この、NMSシリーズは日本で言えばチャートのようなものですが遙かに良くできています。ただし、この章末問題は易しすぎるので、残りを"Surgery(Pretest)"で補う必要があると思います。
読者の声
日本の国家試験と並行してstep2を受験しようと考えているのですが、今の自分の実力でどの程度のスコアが取れるのか皆目見当もつかず、困っております。
Ace
the
boards,Step2exam、kaplanのQ-bankで55%程度なのですが、このまま本番にのぞむと、何点程度になるのでしょうか?ぎりぎり合格くらいはできるのでしょうか?逆に本番で85点を取るためには、これらの問題集でどの程度の点数がひつようなのでしょうか?
無題 投稿者:医学部6年 投稿日:2004/11/22(Mon) 08:19
No.1438
アメリカの掲示板を見ることをおすすめします
Q-bank、USMLE
World、CCSSA等と本番の試験の相関関係が繰り返し掲載されています
日本だけの情報では無理がありますyahoo USAなどで検索すれば、情報は溢れるくらいありますなので、必要なものをいかに取捨選択するかが大切になってきます
私はkaplanのQ-bankが一通り終わった時点で63%程度で、本番では、約90でした
Re: 無題 USMLE forum - 2004/11/25(Thu) 10:08 No.1445
向こうのサイトを見てみると、
「QB+15〜20が相場だが、人によりかなりばらつきがある」との印象でした。
いまのところQB55%で、このままでは合格さえおぼつかないかもと落ち込んでいたので、元気付けられました
来月末に受験予定なのでもう何冊か問題集を解いてQB65%〜70%を目標にしようと思います。
Re: 無題 医学部6年 - 2004/11/26(Fri) 15:34 No.1449
更新記録
●2002年5月1日:新規掲載
●2002年5月1日:更新しました